スローなお買い物~グルッポ・ディ・アクイスト

前にもブログに書いたことがありますが、私はスーパーでのお買い物が苦手。
毎週バタバタッと決まったものをカートに放り込んでいる自分を振り返り、たまに反省します。
もっと楽しく買い物をすればよいのですが、どうしても畑の野菜と比べてしまい、仕方なく買っ
ているような気分になってしまいます。
もっとお買い物が楽しいものにならないかなあ?と最近フツフツ思っていたところでした。

先日、ユキちゃんの親友のD君ママと話していたときのこと、「ねえ、何処のスーパーにお買い物に行っているの?」と聞いてみました(この辺りはかなり車で走っても、それ程スーパーの選択肢がないのですが・笑)。すると彼女からは「え、スーパー?最近殆ど行ってないなあ。買い物はね、殆どGASよ」という答えが返ってきました。

GASとは、Gruppo di Acquisto Solidale の略です。フィレンツェなど北イタリアを中心に活動している大小の共同購入グループを指す言葉です。
宅配便が発達している日本とは違い、イタリアの物流状況はかなり厳しいものがあるのですが、「人力」で補いながら、それぞれ食料品や生活用品を直接、生産者から共同購入するのです。
早速私も参加してみることにしました。

面白いのがそのシステム。
特に、間に管理会社が入ったりしているわけではなく、40人程の有志がそれぞれボランティアで活動しています。一人一人がそれぞれ1つの購入元を担当しただ単に、購入したものを分けるのではなく、参加者は、購入元のセレクトから、オーダー集めまで担当します。(こう書くとなんだかとてもシステム化されているようですが、やり取りはとっても人間っぽくてイタリアらしいんですよ)。
全てメールでやり取りをします。グループにはいるとメーリングリストにアドレスが入れられ、どんどんとオファーのメールが来ます。しかも地元の農場ばかり(笑)。
「~農場のオーダー、鶏肉1キロ12ユーロ、ダック肉キロ12ユーロ、子羊肉1キロ12ユーロ(12ユーロ均一?・笑)ペコリーノチーズ1キロ10ユーロ オーダーは今週の金曜日まで 納期来週の火曜日」など。
日曜日に登録したばかりなのに続々とオファーのメールが届いてきました。農家からの受け取りは毎週火曜日の夕方に村の公民館で行われます。嬉しいのは、食材は全て有機栽培であるということ。そして、肉、野菜、チーズ類は殆ど近郊の農家産であるということ。月に何回か、GASのメンバーが農場を訪れて、生産状況を確認しに行きます。
大企業の製品だけが流通するスーパーでの受動的な買い物から逃げ出し、もっとアクティブに買い物をしようぜっ!というのがグループのモットーです。
イタリアではどのジャンルの農家も、卸業者に買い叩かれ、とても安い値段でしか生産物が売れないそうなんです。一方、ここ数年でスーパーでの食料品の値段はかなり上がってきています。こうした中で、GASのような消費者グループが、直接農家から購入することによって、農家にとっても、農産物に見合った収入を得ることが出来るんですよね。
今までも、チーズやサラミを買いに近くの農家に行ったことはあるのですが、一通りのものを揃えようと思うと数軒まわらなくてはならず、しかもお肉などは1頭分からなので豚肉はなかなか買えなかったのです。ところがGASのシステムだと、40世帯もいるから、オーダーがまとまり、豚肉だって購入することが出来ます。受け取りも週に一度、村の公民館でまとめてできるのが便利です。

野菜も、オーダーを集めた後で、必要な分だけ畑から抜くし、お肉だって、オーダーが付いた分だけ鶏や羊をつぶしてお肉にするので売れ残りはなく、大事に各家庭で消費されますよね。物流も、生産地から消費地までだから周囲20キロで済み、かなりエコロジーです。包装も本当にミニマム(野菜などは、箱で積まれて来たものをそれぞれ分け合います)。

参加したばかりのGASですが、何だかワクワクしてきました。
来週の火曜日には、ダックのお肉1キロ、再来週にはシチリアから無農薬、有機栽培のオレンジ6キロが届きます(ワクワク)。
少しずつ、GASで購入する食料品の割合が増えていきそうです。

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Commented by sironekosan at 2009-02-04 09:53 x
ううう、いいですねぇ~!
いつだったかテレビで見ましたが、農家さんが直売所へ持ち込み、自分達で価格を決め販売するシステムが人気だと言っていましたが、いかんせんその直売所が遠かったり・汗
GASは公民館に・・・って所がいいなぁ。
それに、野菜だけではなく、肉もそのシステムに参加している所が素晴らしいっ!
売れ残りや食べ残しに関して日本は寛容すぎると思うんですよね・・・
もっと“食”を大切に考えたいものですよね。
GASみたいなシステム、日本にも無いのかな・・・
Commented by baru-nishio at 2009-02-04 10:31
いいですねぇ…
日本であえて似たようなものというと
「生協」とか「大地の$%@」「ラディッシュ&#$」などがありますが
注文し、宅配してくれる…企業化されたもの。
生産者から直接買える場は、朝だけやってたりする「地場産売り場」…
道の駅などに併設されたりもしてますが…近くになければダメですしね。
どれとも違いますね。
ボランティアで各農家の生産状況をチェックしているところが、
なんとも「安心」を得られるところです。
Commented by happydesigncafe at 2009-02-04 10:49
こんにちは!
ほんと、とってもいいシステムですねえ!
有機のもの、そのうえ新鮮なものってあんまりないのでスーパーではあまりお野菜を買えなくて(買う気になれなくて)、
フィレンツェでは、どうなんだろうって心配してたんですが、
そんな素敵なシステムがあるなんてー。届くの本当にワクワクですね!!
私もそのシステムに参加したいです〜出来るのかしら?
Gruppo di Acquisto SolidaleのHPみたけれど、私の語学力ではなのことかわかりません・・・
Commented at 2009-02-04 13:53 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by fiorentino at 2009-02-04 14:25 x
chihoさんこんにちは♪
GASって理想的な買い物手段ですね。
生協みたいなものなのかな?、と思いながら読ませていただいてましたが、生産者さんから直接購入できるシステムなんですね。
実家の近くに生産者さんが直接納品している大きな販売所があるのですが、そこのお野菜とかお肉と比べるとやっぱりスーパーのものは見劣りします★
日本のスーパーでは最近ずいぶん『~さんちのトマト』など『生産者の顔が見える野菜』としてよく並んでいるのですが。
去年、食品偽装の事件が続いたので、より安全なものをという意識が強くなっていると思います。
話がそれてしまいましたが、イタリアで新鮮で安全なお野菜やお肉がこいう形で購入できるって、さらにイタリア生活が楽しいものになりそうですね♪

Commented by woodstove at 2009-02-04 20:40
chihoさん こん**は。
 有機野菜などが入手できるのはありがたいですね。
ボクの場合は、近所の人や友人知人からのいただき物が
無農薬であったりするんですが、その季節の旬の同じモノがどっさり
届けられて食べるのに苦労しております。
いいですねぇ、必要なモノを必要なだけ購入ってのは。。。。(^^;)
Commented by salam2002 at 2009-02-04 22:59
はじめまして、こんにちは。
昨年末、フィレンツェに行ってきました。
その際には、随分とフィレンツェさんのブログを参考にさせていただきました!
私も生活クラブという生協を利用して、その活動には詳しいのですが
出発はGASと全く同じです。
それが、どんどん大きくなっていったのだと思います。
今でもその精神は変わっていません。
もともと、イギリスのロッチデールというところから、共同購入は始まったそうですよ。
とっても、興味あることなので、時々書いてくださいね。
楽しみにしています。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-05 18:37
sironekosanさん>毎週のことだから近場というのが便利です。しかももうすぐ魚類も始まるらしいのです。楽しみだなあ。うん、、このシステムだと売れ残りが出ないから無駄がないんですよね。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-05 18:37
baru-nishioさん>そうなの~。日本の方が宅配とかは凄く発達しているけれど、企業化されていて参加している気分がないかな。ただ買うだけじゃなくて、農家と一緒に生産状況を考えたりできるのが楽しいです。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-05 18:37
happydesigncafeさん>うんうん、スーパーにも有機の野菜は少し並んでいるけれど、回転が悪いのか、意外と新鮮ではないんですよね。GASはそれぞれの地元にあるようですよ。ご近所に聞いてみると良いかも。でも満足度はグループによりけりのようです。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-05 18:39
鍵コメhさん>こんにちは。書き込み有難うございます。うんうん、かなり「人力」な部分が多いから同じGASでも色んな形態があるんでしょうね。きっとね、農家任せのところは、品質の管理が出来ていないんだと思うんです。うちの近くのグループはその点かなりシビアだから安心できます。お肉の値段は勿論スーパーよりも断然高いんですが、実際に、1キロ当たり5ユーロの鶏肉の質はどうなんだろう?って今まで疑問だったんです。実際に放し飼いで鶏を買ってみると、ヒヨコからある程度の大きさになるまで何ヶ月掛かるのか、その間にどの位餌を食べるのかが判ります。そうすると、1キロ当たり12ユーロでも安いと思うくらいです。じゃあ、それを利益をあげて6ユーロに抑えようとすると、なるべく小さなスペーで出来る限り大量の鶏を育て、短期間で大きく育つような餌を与えて効率を高め、1羽あたりのコストを下げて最終的な値段に収まるようにするんだと思うんです。
(ちょっと長くなったんで以下続きます)
Commented by lacasamia3 at 2009-02-05 18:39
そういうお肉を週に4回食べるんだったら、それを2回、3回に減らしてでももっと美味しくて安全なお肉を食べたいなあって最近思うようになったんです。
長くなってゴメンなさい。食べ物の値段に関してはちょっと最近考えることがあったので・・・

届いたらまたブログでお知らせしますね~♪
Commented by momo at 2009-02-06 18:52 x
chihoちゃんおひさしぶり。
いいなぁ、このシステム。すごく興味があります。
こっちのほうでもやってないかしら。後で調べてみよう。
暖かくなったらまた遊びに来てね。
Commented by piadina at 2009-02-07 03:28 x
素敵ですね~このシステム!私の住むロマーニャも結構農家、酪農家が多いので直接近くのものを買えたら新鮮でいいのに・・と良く旦那と話してたんです。日本の実家のそばに農家が野菜を無人屋台?で売っていて(100円均一とかでお金を入れるポストがあってお金を入れて好きな野菜を持っていきます。結構いろんなお野菜があるんですよ)新鮮だし安いしいつも愛用していたのでイタリアでもやればいいのにねーと思っていたのでGAS私も調べてみます!
Commented by ガビィ at 2009-02-07 14:27 x
すばらしいですね!うらやましいです。

届いてからの報告とお魚のこともまた載せてくださいね。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-08 05:11
fiorentinoさん>そうですね、生協みたいだけれど、企業化していなくて、地元の個人それぞれがサークルのように集まって運営しているといった感じです。環境とか有機農業に興味を持っている同士なので、初対面でも話が合う人が多くて楽しいです
Commented by lacasamia3 at 2009-02-08 05:11
woodstoveさん>いやいや、ご近所さんからのもらい物が一番嬉しいですよ(笑)。うちの方は野菜については、それ程必要はなさそうですが、こうして有機のチーズやお肉(←これはなかなか手に入らないです)が気軽に買えるこのシステムはこれから利用するのが楽しみです。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-08 05:12
salam2002さん>こんにちは。フィレンツェにいらっしゃったんですね。きっと楽しいご滞在になったことと思います。フィレンツェ情報を活用してくださって有難うございました。来週から少しずつオーダーした食品が届くので、またブログでお伝えしますね。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-08 05:12
momoちゃん>きっとそっちの近所でも活動しているグループはいると思うよ。今度誰かに聞いてみるね。暖かくなったら会おうね。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-08 05:12
piadinaさん>きっとね、ロマーニャのGAS方がほうが更に数が多いと思いますよ。フィレンツェの都市部でも活動しているグループが沢山あるから、きっとそちらにもあるはず。探してみてね。
Commented by lacasamia3 at 2009-02-08 05:13
ガビィさん>来週はダックが1キロ届くので楽しみです♪またご報告しますね。
Commented by だいこんの花広報マン at 2009-02-09 05:46 x
とても参考になる記事でした。
沖縄で、有機の農産物の流通を考えています。
ブログで沖縄の読者に紹介させていただきました。
今後とも、イタリアの食が書かれることを期待してます。
ありがとうございます。
by lacasamia3 | 2009-02-04 05:59 | シンプルエコライフ | Comments(22)

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