家族の肖像~マリア・デ・メディチの婚礼

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「マリア・デ・メディチとカテリーナ・ディ・メディチ」展に展示されていた1対の絵の、もう一枚の絵には、フランス国王アンリ4世へと嫁ぐマリア・デ・メディチのフィレンツェでの代理人との婚礼の儀式が描かれています。マリア・デ・メディチの結婚は叔父であり花婿代理を務めたフェルディナンドが仕切ります。

日時:1600年10月5日
場所: フィレンツェ ドゥオーモ
登場人物: 新婦 マリア・デ・メディチ(故フランチェスコ1世と故マリア・マッダレーナの娘)
新郎代理:フェルディナンド1世(フランチェスコ1世の弟、マリアの叔父 トスカーナ大公)


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画面左: コジモ2世(↑黄色い服を着た左端の子供、後のトスカーナ大公)
クリスティーナ・ディ・ロレーナ(←フェルディナンド1世の妻 マリアの叔母 トスカーナ大公夫人)
こちらを向いているクリスティーナは、1枚目の絵に描かれたカテリーナ・ディ・メディチの孫で、逆にフランスからフィレンツェに嫁いできた女性です。
「ピッティ宮で海戦」


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画像右: フェルディナンド1世の後方にいる3人の男性は、どの人物がどの名前に該当するのかははっきりと判らなかったのですが、それぞれ凄いストーリーを抱えた人物なのです。


ドン・アントニオ
(恐らくフェルディナンド1世の左側にいる人物。
フランチェスコ1世とビアンカ・カペッロの間に生まれた子供と言われていますが、どうしても子供が欲しかったビアンカが女中が生んだ子供を自分の子供とでっちあげたという説もあります)
「ビアンカとフランチェスコ1世」

ドン・ジョヴァンニ
(コジモ1世と愛人のエレオノーラ・ダルヴィツィの子供)

ドン・ヴィルジーニオ
(イザベッラ・ディ・メディチとパオロ・オルシーニの子供)
「メディチ殺人事件」で夫のパオロに殺害されたイザベッラの子供です。


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フェルディナンド1世(画面中央)は、花嫁マリアの父親フランチェスコ1世と後妻のビアンカを毒殺したという疑いをかけられています。
「400年のミステリー」


こう考えると、凄いメンバーが揃った婚礼の儀式だったんですね。

この企画展には、マリア直筆の手紙や、カテリーナのお守り、絵皿、飾りだな、豪華なタペストリーなども展示されています。普段見ることが出来ない作品ばかりで、なかなか面白かったですよ。

CATERINA MARIA DE' MEDICI - DONNE AL POTERE
フィレンツェ ストロッツィ宮
2008年2月8日まで
毎日9時~20時(木曜のみ9時~23時)
入場料10ユーロ
(CASSA DI RISPARMIO DI FIRENZEのキャッシュカード、ATAFバスの切符または定期券、国立美術館の入場券などを提示すると割引になります。6歳以下の子供は無料です。)

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Commented by nonnakaori at 2008-11-28 08:18 x
なんと美しいお姫様。↓のカテリーナは可憐な美しさ、マリアは、しっとりした女らしさ。豪華なタペストリーもぜひみたいです。
タペストリーは、何のため?考えずに見てたら、先日フランスの歴史に詳しい方に、石造りのお城の防寒用と聞き、改めて見たいと思ってました。
ストロッツイ宮殿の展示ぜひ見に行きたいです。
Commented by komorebi at 2008-11-28 09:53 x
マリア・デ・メディチの一生にひかれて今年パリのルーヴルまで見に行ったのに…。
フィレンツェにこんな素晴らしいお宝があったとは…。
今すぐにも飛んで行きたいですw(ユーロ安いし)

寒いので皆様お風邪などひかれませんように!
Commented by ジョニィー at 2008-11-28 17:57 x
こんばんは。こちらも寒いですが、そちらも寒そうですね。
貴方のブログを拝見しますと、こちらの美術館ではお目にかかれない、
凄い絵画ばかりなので驚いております。
更に申しますと、その絵画を写真に撮影出切る事です。
仮にその絵画を日本の美術館で一堂に展示した場合は、総て撮影禁止となります。
それが歴史に関係ある絵画ばかりであり、歴史を改めて学習しなければ
内容が分らないと思われます。
先日もNHKテレビでレオナルドダビンチとフランスでの行動が放送されておりましたが、私には歴史のドラマがどう展開しているのか。
全貌がよくわかりませんので、理解が出来ませんでした。
それにしても、日本で見ることが出来ない貴重な絵画をカラー写真で拝見できますことに驚いております。
今後ともこうれらの貴重な絵画の写真をお願い致します。
Commented by ねむりぐま at 2008-11-29 08:05 x
フィレンツェのドゥオーモで結婚式があったのですね! フランスに来られてからは、リヨンのサン・ジャン大聖堂で式があったので、私はこのお二人にひそかに親しみを抱いております。(笑) マリア・デ・メディチ、気品ある美しさですね~☆
しかし凄いメンバーが一堂に会した結婚式だったのですね。(汗)
Commented by カバン持ち at 2008-11-30 18:28 x
chihoさん、こんばんは。
前回のカテリーナと今回のマリアの婚礼、とても興味深く読ませて
頂きました。カテリーナの人生は色々な本に登場するので何となく
イメージがありますが、マリアはあまり印象が強くなかったので
婚礼風景を想像した事も無く・・叔父が花婿代理を務めたんですね。
そしてタイトルどおりの「家族の肖像」凄いメンバーに驚きです!
Commented by lacasamia3 at 2008-12-02 04:40
nonnakaoriさん>この展覧会、是非行きましょうね。ユキちゃんは無料だし、私ももう一度見たいし・・・。タペストリーも素晴らしかったです。
Commented by lacasamia3 at 2008-12-02 04:40
komorebiさん>ルーヴルのルーベンスの連作も素晴らしいですよね。この2点も素晴らしかったです。特にこの姫君がどっちも可愛く(笑)描かれていて、とても品のある絵です。
Commented by lacasamia3 at 2008-12-02 04:40
ジョニィーさん>良く見ていただくと判るのですが、これは絵葉書なんです。イタリアでも絵画作品は勿論撮影することは出来ません。「フィレンツェ小話」でご紹介している画像は殆どがWEB上で個人使用フリーで公開されている画像なんですよ。
Commented by lacasamia3 at 2008-12-02 04:40
ねむりぐまさん>マリア・デ・メディチはこの当時にしては結構年が上だったんですよね。首の周りについているレースの描写が素晴らしかったです。髪飾りも凝っていますよね。
Commented by lacasamia3 at 2008-12-02 04:41
カバン持ちさん>そうそう、この叔父が自分の父親を毒殺したであろうということは、恐らく当時でも多く語られていたから、マリアの耳にも入っていたと思うんですよね。ホント、複雑なメンバーです。
Commented by hare at 2008-12-03 09:08 x
chihoさんこんにちは。(だいぶ前から時々拝見していますがコメントは何年ぶりでしょうか・・・)今回のお話、たいへん興味深かったです。今まで見逃していた分も含め、「フィレンツェ小話」を一気に読んでしまいました!
フィレンツェは数回滞在しただけですが私にとっては落ち着く街です。イタリア絵画も好きですが、やはりイタリア、フィレンツェの歴史をきちんと知りたくなりました。知れば知るほど興味が広がってきりがなくなりそうですが…
当たり前ですが、歴史を知っているのといないのとでは、都市を訪れる印象も大きく変わりますものね。きっかけをいただけて嬉しいです!
Commented by sarah000329 at 2008-12-03 15:58
こういう歴史的な背景をちゃんと知って絵画を見ると一層、その絵が伝えるものを
感じられてとってもいいですね。解説とても有難いです。
どうしても絵の表面的な事しか見えないので・・・。
Commented by eaglei at 2008-12-14 07:24
はじめまして~、「メディチ」で検索して飛んできました。
昨夜NHKでは、フィレンツェの特集番組があったんですよ。
行ってみたいです。
そこにお住まいなんて、素晴らしい~♪

またゆっくり訪問させて下さい。
よろしくお願いします。
Commented by lacasamia3 at 2008-12-26 15:05
hareさん>コメントを頂いていたのに、お返事が遅くなってごめんなさい!そうなんですよね、こんな独りよがりのカテゴリーですが、少しでもフィレンツェの歴史的背景を知っているとまた街歩きが楽しくなるんですよ。
Commented by lacasamia3 at 2008-12-26 15:07
sarah000329さん>昔の人にとってこういう絵は、政治的な意味があったり、記念写真の代わりだったり、宣伝効果を期待したものだったりするんですよね。それぞれの作品の背後に様々なストーリーがあって面白いです。
Commented by lacasamia3 at 2008-12-26 15:08
eagleiさん>はじめまして。NHKでフィレンツェ特集があったんですね。メディチ家がテーマだったと聞きました。NHKの海外特集は映像が素晴らしいからきっと迫力があったんだろうなあ。お返事が遅れてしまってごめんなさい。また遊びに来てくださいね。
by lacasamia3 | 2008-11-28 07:29 | フィレンツェ小話 | Comments(16)

フィレンツェで山暮らしをするchihoの田舎便りです。フィレンツェの街歩き情報、イタリア風家庭菜園、お勧めレストラン現地情報、日帰りで行ける街の情報など。フィレンツェの滞在型アパートの紹介サイト「ラ・カーサ・ミーア」を運営しています。


by chiho