農業博物館カーサ・デルチ

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ちょっと前ですが先週の週末に、大分前から行きたくてウズウズしていた"Museo della Civilta' Contadina" (農民博物館)に行ってきました。我が家から車で30分ほど行った場所にある博物館で、別名カーサ・エルチと呼ばれています。
ボルゴ・サンロレンツォからさらにアペニン山脈側、グレッツァーノという村はずれにこの家があります。このあたりは、村から山に向かって段々と道が狭くなっていくので、村の駐車場に車を置いて、残りの500メートル程は歩いていきました。

道沿いにあるお家は何処も昔ながらの石造りで、お庭や畑がとても丁寧に手入れをされていました。ビジターである私たちも含めて、村の人たちもすれ違う人毎に、「ボナセーラ!」「ボナセーラ!」と挨拶をするのが印象的です。

森を抜けた丘の上にカーサ・デルチがありました。石造りの大きなお家です。トスカーナの農家はこうして窓が小さいのです。それだけ冬が寒いんですよね。我が家もそうですが、こういう建物は壁にかなりの厚みがあり、一度室内温度を上げてしまえば、割と中は温かいのです。

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↑この機関車のようなものは、石炭で動かしていた発動機です。仕組みは蒸気機関車と同じなのですが、車輪を動かす代わりに、この脇についている大きな輪が回転し、ベルトで色々な機械につなげて動力を生み出すのです。ここは、粉挽き小屋があったので、きっとこの動力で石臼を動かして、小麦を粉にしていたんでしょうね。


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畑のお道具は、今私が使っているものと殆ど形は変わっていません。きっと中世の時代から変わらないんだろうなあ・・・。
この平たいスコップのようなものは"vanga"(バンガ)と呼ばれ、棒についたペダルのような部分に足を置き、体重をかけながら土に垂直に差し込みます。十分に地中にささったら、体重をかけ、てこの原理で土をひっくり返します。ケーキを切るように、1切れずつ土をひっくり返す道具です。私も使っています。


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これは、小型トラクターの昔版。前は牛や馬、ロバなどの動物をつなげて引っ張らせ、後ろは人が支えながら土を掘り起こすスコップの部分を上下させます。
土をおこす部分は、金属で出来ています。
きっと、動物を先導する人もいて、2人で操作していたんでしょうね。


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写真右: これは"giogo"(ジョーゴ)と呼ばれる家畜をつなぐためのものです。(それにしてもアントネッロは良くこういった農業のお道具の名前を良く知っています)


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ワインをねかせる為の大きな樽もありました。
この蛇口のようなものは何に使うと思いますか?先っぽが尖っていて穴が開いています。


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ヒントは、右端の部分に叩いて磨り減ったような跡があること
判りますか?


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写真左: 見えますか?上の大きな木の樽の下の部分に付けられていた蛇口です。トンカチで叩きながら、蛇口を差し込んで固定するんですね。穴が開いていたのは、葡萄の皮などを通さず、ワインだけがでるようにするためなんです。

写真右: これは、摘み取ったばかりの葡萄を中に入れて、圧力をかけ、潰して汁を抽出するための樽です。

好きな話題なもので(笑)沢山撮った写真があります。残りは後ほど・・・

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Commented by sicilia_trapani at 2008-09-14 05:59
ここシチリアにも小さいのが結構あるんだよね。アグリツーリズモに併設されているプチ博物館もあり(笑)
そして必ずあるのが昔のオリーブの搾油機兼ブドウ絞り機。ここでは、ディスクのようなものにオリーブやブドウを挟んで、それを回すことで圧力をかけて汁を絞る機械が大半。ディスクの部分が石だとオリーブ、藁だとブドウ、なのよね。トスカーナのブドウ搾り機は樽なんだねー。
Commented by lacasamia3 at 2008-09-17 18:46
Reiちゃん>へえ~そうなんだ。トスカーナだと、オリーブの場合は一回石臼で細かくペースト状にしてから、藁のディスクに乗せて圧力をかけて搾り出すんだよね。所変われば・・・ですね。
by lacasamia3 | 2008-09-14 05:07 | トスカーナ山暮らし | Comments(2)

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