微生物の話

キッチン前の庭に赤紫蘇がまだまだモリモリ茂っています。青紫蘇は全然出なかったのに、赤紫蘇は去年のこぼれ種から芽が出て、今年も大きく育ちました。
畑をやり始めて20年近くが経ちます。途中、やらなかった年もあるけれど、クワを持たなかった年はないほど、割とずっと畑をやっていました。そしてお恥ずかしい所、今になってやっと畑のやり方が分かってきたような気がします。
最初の5年くらいは、牛糞を入れて、苗を植えれば大きく育ったのに、段々と土が固くなってきて、毎年春野菜の植え付けをする前に土を耕すのが一苦労でした。こんなに土が固くて毎回耕すのが大変だからと、冬野菜を作ることは殆どやめてしまい、夏野菜の苗を買ってきて植えるという繰り返しだったんです。ところが、最近、畑と微生物の関係について、イタリア人の畑ユーチューバーの動画を見て、開眼しました。
今まで、堆肥を入れて機械や人間の力で土を細かくすれば苗が上手に育つと思っていたのですが、土を細かくするのは人間や機械の力ではなく、微生物たちの力であるということが分かったんです。機械で細かくした土は、雨が降ったらまたすぐに固くなってしまうけれど、微生物が沢山住んでいる土はフカフカのままです。土の中にはミミズやダンゴムシは勿論のこと、目に見えない様な昆虫や微生物、菌たちが土の中に沢山住んでいます。いままで苗は堆肥の栄養分を直接根から吸収すると思っていたのですが、微生物が堆肥を分解して、必要な養分を根に運んでくれるのですね～。そんな働き者の微生物の餌となるのが枯れ葉や雑草、木の丸太などです。そしてそれらに水分と酸素、適度な温度の条件が揃ったら微活発に活発に活動を始めるというわけです。



去年は試しに、カチカチで何も育てられなかった面に抜いた雑草や朽ちた丸太、落ち葉などを山にして一年間ほっておきました。多分1回くらいはぐるっとかきまぜたかも。でもその後はそのままでした。そして、今年の春にまだ分解されていない上の方の枯れ草を取り除いたら、下はフカフカの土になっていました。
雑草は庭に沢山あるし、森に入れば朽ちかけた丸太は大量にあります。こんなに家の周りが宝の宝庫だったのに今まで気づかなかったなんて！刈り取った雑草を畑に入れるとまた雑草が生えるのでは？と心配される方もいらっしゃると思いますが、苗の周りも雑草のマルチングをかなり分厚く行っているので、雑草は生えてきません。生えてきてもヒョロヒョロで、簡単に抜けます。



あと大切なのは冬野菜も畑に植えること。冬野菜を植えると、冬の間も野菜の根を通じて微生物が細々ながら生きていけるし、土の中でも適度な水分が保たれて、春になって気温が上がってきたときに微生物たちが一気に活動を再開します。
もし冬野菜を植えられなければ、大量の枯れ葉や刈り取った雑草をかなりの高さまで積んで地表を覆っておきましょう。何も育てずに裸の地表を風雨にさらすと、せっかく良いコンディションになっていた土がまた劣化してしまいます。刈った草が良い土を作ってくれると思うと、草刈りが楽しい。雑草＝微生物の餌と思うようになったので、逆に得しちゃった気分です。


毎日考えることは畑ばかり。バスを待っている間も畑のことを考えたくて、ポケットサイズの畑本も買っちゃったし（笑）今年は畑、頑張ってますよー。

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