月曜日に大きな仕事がひと段落し、やっと落ち着きました。昨日はちょっと晴れたけど、ここのところ雨続きのフィレンツェ(涙)。洗濯物が乾かなくて困っています。
さて、中断していたマルケ話。今日は最終日に訪れた要塞について。
朝食の時、宿のマダムに、ウルビーノに戻りながら立ち寄れる見どころがあるかどうか聞いたところ、サッソコルヴァーロ要塞を勧められました。
ここはウルビーノ大公フェデリコ・ディ・モンテフェルトロ(フィレンツェのウフィッツィ美術館にある横顔の肖像画で有名な人物)が君臨していた時代、1475年に建造されました。
要塞の中は市とボランティアのグループが管理していて、週末は予約制で中を公開しています。
この日は祭日でイタリア人ツーリストが多かったので、丁度開いていて、中を案内してもらいました。
ここは要塞内に作られた小さいけれどとても状態の良い劇場。
今もたまに映画が上映されているそうです。
実はこの要塞は別名 "l'arca dell' arte"「芸術の箱舟」と呼ばれています。
第二次世界大戦中、戦火を逃れて、ヴェネト州、マルケ州の美術品を疎開させる必要が迫っていました。
保存に適した頑丈な建造物を探していた時に候補に挙がったのが、このサッソコルヴァーロ要塞だったのだそうです。
ピエロ・デッラ・フランチェスカ、ラッファエッロ、ティツィアーノなどの傑作、合計10.000点もの作品が運び込まれます。
この作戦は、戦後もしばらく秘密にされ、責任者であったイタリア文化庁のパスクアーレ・ロトンディも後年になるまで詳細を明らかにしなかったのだそうです。
いま私たちがイタリアの美術品を鑑賞できるのも、こうした人たちの努力があってのことですね。
そのあと、ウルビーノに移動し、友人でコーディネーターである林由紀子さんと落ち合って、ウルビーノでランチ。
私がすっかりマルケにはまっているのは、何より彼女のお陰です。
これこれ。アントネッロに食べさせたかったクレッシャ。ラードを練りこんで円盤状に伸ばした生地を焼き、それにハムやチーズをはさんだもの。

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この記事の中で行った場所は、
・サッソコルヴァーロ要塞 Rocca di Sassocorvaro Sassocorvaro, Pesaro e Urbino
4月から9月 9:30-12:20/15:00-19:00 10月から3月 土日のみ 9:30-12:30/ 14:30-19:30
・リストランテ イル・カステッロ Via del Poggio 1, Urbino
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