生きる


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今朝は朝から救急車のシフトに入っていました。「今日は暇かもね」なんて言いながら、日本の母とのんびりLINE電話をしていたら、ジリーンとサイレンが鳴り、私担当の車両が出動(汗)。今日のミッションは、臓器移植を待っていたユキと同じくらいの歳の男の子を、たった今、臓器提供が発生したジェノヴァの病院に運ぶこと。

臓器提供から移植手術の流れは本当に急に決まり、タイムリミットもあるので、全てが確定してすぐに私たちの救急センターに連絡が入り、患者にも同じタイミングで連絡が入ったのでしょう。行きの車中、ドライバーはやや緊張した面持ちで、安全運転ではありますが、かなり急いでいました。フィレンツェから海方面の高速道路は、夏の間、週末の午前中はかなり渋滞します。途中、サイレンを鳴らしながら、場所によっては路肩走行をしながら、2時間半の道のり。そんなに急ぐならヘリで行けば?と思ってしまいますが、トスカーナ州全体でも医療ヘリは台数が限られていて、海も山もカバーしているので、もっと深刻なケースに取っておくのです。「退いて〜!」と心の中で叫びながら、手に汗を握る瞬間もしばしば。サイレンを鳴らしながら高速道路の追越車線を走っていても、なかなか退いてくれない車もあります。

ちなみに、救急車にはいくつかサイレンの種類やボリュームがあるんですよ。ライトだけ(イタリアは青のフラッシュライトです)というバージョンもあります。日本のようなマイクはありません。あ、あと隊員はヘルメットを被ってない。日本と色々違うところがありますね。


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リストに登録してこの日が来るのを何年か待っていたという男の子は、車中はやや緊張した表情でしたが、病院に着いたら、しっかりとした足取りで診察室に入って行きました。

命は手のひらからスルリと逃げてしまうような脆いものですが、人から人へ繋がっていく命もあるのだな。きっと今朝はこの世を去っていった命があって、でもその命がもう一つの体へ継がれていくわけで。その命をつなぐために、移植コーディネーターや、搬送チーム、看護師、医師、家族・・・色んな人が動いているのだなあ。
すっかりヴァカンスの雰囲気一杯のリグーリア州の海と、パラソルを積んで海水浴に行く人たちの車を見ながら、ボンヤリとそんなことを考えていました。

あの子の手術がうまく行きますように。彼のこれからの人生に幸あれ。


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Commented by kotaro_koyama at 2019-07-07 01:08
救急のお仕事、本当に素晴らしいです。救急車が背後から来てもなかなかどかない車... よくいますよね。その救急車の中で、そして周囲で、どのように命が救われようとしているか... もちろんケースバイケースだけれど、それを想像したらすぐに車線を空けざるを得ないですよね!
Commented by lacasamia3 at 2019-07-07 02:02
kotaro_koyamaさん、Misericordia でのボランティアはなかなか刺激的な体験ですよ。私なんか、救急車のサイレンが遠くから聞こえたらすぐ「どこ?どこ?」って焦るのに、全然気がつかない車も居るんですよ。
Commented by ebu ebu at 2019-07-07 14:50 x
命の尊厳を受け継ぎ、受け取る
その限られた「時」の立会い人、
貴重な体験でしたね。
そんな緊迫とは掛け離れた日常、
それもまた人が生きる時間。
とても不思議ですよね。
受け継がれて生かされていく、彼の人生。
再び輝いて欲しいですね!

日本にもいますよ。
ぼんやりドライバー、、、
そうならないように気をつけます!!

Commented by lacasamia3 at 2019-07-07 20:28
ebu ebuさん、悪気はないと思うんですが気が付かないんでしょうね。私なんか遠くから聞こえて来てもキョロキョロしちゃう
by lacasamia3 | 2019-07-07 00:05 | 私の独り言 | Comments(4)

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