小麦畑と小麦の詩人

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今朝は、我が家からトントコ車で40分ほど山の方に行った場所に住んでいる、マッシモの小麦畑を見に行きました。
小麦は6月末から刈り取りが始まります。



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イタリアで栽培されている軟質小麦の種類は、大きく分けて3種類に分けることができます。
1 国際企業により遺伝子組み換えをされた小麦
2 戦前、戦後から行われた品種改良によってイタリアで栽培され続けてきた近代小麦 トスカーナでは近代小麦をオーガニック農法で作っている農家が多いです。
3 従来、イタリア各地で栽培されていた古代小麦(スペルト小麦ではない)それぞれの地域の気候に合った無数の種類が存在していた。現在では希少種


写真では見にくいのですが、こちらは近代小麦の畑。


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3の古代小麦は、ほぼ全滅していた種類の小麦を撒くだけではなく、現在では、それぞれの地域で栽培されていた多数の種類の小麦をミックスして畑に撒き、数年をかけて、その土地に合った種類の小麦を選別しながら、よりその気候にマッチする小麦を作り上げる傾向にあります。こうして選別された小麦の事をpopolazione(ポポラツィオーネ=民衆、集団という意味)と呼びます。

例えば同じフィレンツェの北側でも、ここのポポラツィオーネと5キロ離れた場所の農家のポポラツィオーネは、気候が違うので少し種類が違うはず。昔は、それぞれの農家がそこで育てた小麦を翌年のために残して、またそれを蒔いていたのだから、自然とその土地の気候に合った集団を長い年月をかけて選別してきたのでしょう。残念ながら近年それが失われてしまったのですが、イタリアでの最新の小麦の栽培方法は、この集団を再び呼び戻す傾向にあります。

上の写真は、マッシモが小麦畑の一角に育てている古代小麦のポポラツィオーネ。1枚目の写真と違って、背の高い小麦と背の低い小麦が混在しています。古代小麦の栽培のしにくさの一つは、小麦の高さがまちまちである事。刈り取りの機械はまだまだ従来の近代小麦に合わせて作られているものが多いので、刈り取りが重要ポイントになるようです。




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元気に育っているマッシモのポポラツィオーネ。
今日の感じでは、刈り取りはまだもう少し先の方が良いようです。刈り取りのタイミングもとっても大事。刈り取りが早すぎると、水分を含みすぎていて、保存ができなかったり、刈り取りが遅すぎると乾燥しすぎてスカスカになってしまいます。
一粒そのまま食べてみた小麦は、甘かった。

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イタリアでは小麦は簡単に育てられる作物というイメージがありますが、実はそうではないのです。本気で美味しい小麦を作ろうと思ったら、相当の知識と機械が必要です。
小麦の栽培って本当に奥が深いのだな。



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マッシモ。ありがとう。
彼は小麦を自分で育てて、その小麦を粉にしてパンを焼いている人です。週に一度、おらが村の朝市まで山を降りてパンを売りにきてくれています。
自分のことを、「俺はパン職人じゃなくて、詩人なんだ」って言ってる。パン作りの細かいテクニックというよりも、小麦作りにこだわっている彼自身の生き方が、彼が作るパンに現れているんです。以前に、日本から来てくれたパン職人の友人に言われた「パンは表現です」という言葉を思い出します。


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今日のワンコ。
撫でて欲しくて、ずりずる寄ってきた可愛い子ちゃん♩ 

楽しい週末でした。

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by lacasamia3 | 2019-07-01 00:24 | 水車小屋物語 | Comments(0)

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