生ごみの威力

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ここでちょっとゴミの話。
フィレンツェでは、よほど場所がない街中でない限りは、道端に"cassonetto"(カッソネット)と呼ばれるゴミ箱があり、そこに時間制限なく入れることが出来ます。エリアによって、生ゴミ専用箱やガラスとプラスチック専用箱、紙類専用箱を設けている所もあります。
我が家のゴミ事情はと言うと、家から1キロほど山道を降りた下の集落に1箇所ゴミ箱があり、プラスチックやガラス類と紙類、雑ゴミ3種類の分別です。
我が家には今年で3年目の生ごみコンポスト箱があります。と言ってもただ単に、ドラム缶を逆さにして、上に蓋をつけただけのもの。生ゴミって、夏は臭いがするし、水が出るからゴミ置き場に捨てに行くのが億劫ですよね。コレがあると、毎日、コンポスト箱に捨てに行くことが出来るんですよ。

そして、ここで溜まった生ゴミは、働き盛り3年物の元気なバクテリア君達によって分解され、殆ど無臭のサラサラの土状になります。我が家ではコレを畑の肥料として使っているわけです。イタリアの有機栽培の本にも、コンポストの作り方や置き場に関するアドバイスが書いてありますが、それがなかなか面白いんですよ。「バクテリアや小さな虫たちは、人間と同じで、暑すぎず、寒すぎない環境を好む。だから、コンポストの場所を選ぶ時は、自分がハンモックで昼寝をしたいような場所、風通しがよく、ちょっと木陰である場所が最適である」
ふ~ん。確かに、バクテリアたちが一番活発なのは、1年のうちで5月、6月と気候の良いシーズン。生ゴミを分解するのにかかる時間は、真冬や真夏と春や初夏では大分違います。人間だって、真冬や真夏は余り活発に動かないから、バクテリアも同じなのですね。


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さて、こうして出来た生ゴミコンポストをどうやって利用しているかというと、写真は我が家のトマト畑。直接根元に与えるのではなく、列の間に穴を掘り、そこにこのコンポストを埋めて、水を撒き、藁を被せておきます。
2週間後、藁をどけて、穴を掘ってみると、ホホゥ・・・トマトの根がびっしりとコンポストに張り付いていました。野菜って、動物ではないから自分で動くことは出来ないのですが、根は結構、活発に養分を探すのです。こうすることで、トマトの根が広範囲にわたって張り、丈夫な苗になるんですよ。


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今年は、フィレンツェ種を中心に植えました。まだ緑だけれど、沢山実がついています。


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トマトの苗は、今、1メートル50センチほどです。実も花も沢山付いているので、今年の収穫には期待できるカナ?
頑張れトマト君!頑張れバクテリア君!

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Commented by komorebi at 2006-07-05 17:57 x
コンポスト話題となるとマタマタお邪魔したくなり…。
我が家も生ゴミはぜーんぶコンポスト行きですw。
臭いし重いし大変なのでひっくり返す時は主人の担当です(笑)
堆肥を入れた土で育てると本当に元気に育ちますよね。
chihoさんの堆肥の入れ方プロですね~!(メモメモ)
それにしてもトマトのりっぱなこと!(よだれが…タラッ!!)
Commented by akari4675 at 2006-07-05 20:24
元気にすくすくと育ってますね~トマトくん。
赤々しく実ったトマトが早く見たいですね~。
バクテリア君、頑張ってね~。
Commented by きらら at 2006-07-05 21:47 x
chihoさん、こんばんは☆
こんな風に育ったトマトって味が濃くて美味しそう~。
以前イタリアに行った時に売ってる果物や野菜の完熟度と味の濃さに
かなり驚いたのですが、それらもこんな風に作ったのかなぁ?
Commented by chiho at 2006-07-06 01:55 x
komorebiさん>そちらでも、生ゴミコンポストを実践されているんですね。ただの生ゴミが有効な肥料になる様子を見ると何だか嬉しくなります。トマト、早く赤くなってくれないかなあ・・・
Commented by chiho at 2006-07-06 01:57 x
akari4675さん>去年よりも今年の方が断然、分解のスピードが速くなってきているような気がします。働き盛りのバクテリア君、エライッ!
Commented by chiho at 2006-07-06 01:58 x
きららさん>イタリアのトマトは大部分は有機栽培ではないと思いますが、日本ほどハウス栽培が一般的ではないので(光熱費が高いので、コストがかかるんです)味は濃いです。
Commented by kotaro_koyama at 2006-07-06 06:45
お久しぶりです。う~ん、Chihoさん家のトマト食べてみたい!
Commented by miri at 2006-07-06 06:48 x
ノルウェーからです、お久しぶりです。
生ごみコンポスト、ここ北欧では家と同じく、断熱材でびっしり囲んであります。だから冬でも蓋を開けると、ほわ〜と湯気が立ちのぼり、箱の中はなんと70度にもなるそうです。
バクテリア君たち、頑張ってますよね(笑。
Commented by ケイティ at 2006-07-06 08:18 x
無骨でたくましくて、なんて美味しそうなトマト!
私は緑のトマトを見ると、昔テレビで観た「フライド・グリーン・トマト」という映画を思い出します。パン粉をつけて揚げて食べてみたいです。
Commented by chiho at 2006-07-07 05:57 x
kotaro_koyamaさん>来年は是非、お子様をお連れになって遊びに来てくださいね。トマトの収穫は7月末頃です。
Commented by chiho at 2006-07-07 06:00 x
miriさん>へえ~、なるほどね。所変われば・・・ですね。バクテリアによって発生する熱って結構な温度になるんですね。
Commented by chiho at 2006-07-07 06:02 x
ケイティさん>「フライド・グリーン・トマト」は私も大好きな映画の1本です。えへへ、ライフログに加えさせていただきました。いつまででも、それぞれのシーンを思い出すようなそんな心に残る映画ですね。
Commented by 七色満月 at 2006-07-07 17:22 x
単に捨ててしまうだけだと、社会的なコストもかかり、それが自分にかえってくるわけですが、こういう形で再利用できるのは二重の意味で良いですね。畑にも使えるから三重の意味になるのかしらん。
Commented by chiho at 2006-07-07 17:34 x
七色満月さん>こんにちは。場所の問題もあるので、全員が実行するのはなかなか難しいかもしれないけれど、個人のレベルでこうして処理できるとかなりゴミの量が減りますよ。生ゴミも、コンポストになるとかなり嵩が減ります。畑に使うと思うと、生ゴミに添加物が入らないように、自然と添加物が入った食品は食べないようになったりと、一石二鳥です。海草などの生ゴミにはミネラルが沢山含まれていて、とても良い肥料になるので、本当は日本で生ゴミコンポストを実行すると良い肥料が出来るんですよ。
Commented by serendipity_m72 at 2006-07-11 14:29
久しぶりにコメントさせて頂きます・・コンポスト・・したいです。チホさんような・・MOさんのような生活に憧れ、木がいっぱいのジャングルのような土地を購入しました。家庭菜園・・やる気マンマンです。ちほさんブログで紹介されたような太いアスパラガス栽培を目指し頑張ります。ゴミを少なく・・を日本人ももう少し意識すべきだとおもう今日この頃です。
by lacasamia3 | 2006-07-05 17:03 | フィレンツェで畑 | Comments(15)

フィレンツェで山暮らしをするchihoの田舎便りです。フィレンツェの街歩き情報、イタリア風家庭菜園、お勧めレストラン現地情報、日帰りで行ける街の情報など。フィレンツェの滞在型アパートの紹介サイト「ラ・カーサ・ミーア」を運営しています。


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