重そうな、クーラーボックスを持って、ピリッと糊の利いたバミューダパンツとポロシャツという出で立ちのイタリア人。大きな声を張り上げて、何かを売り歩いているのは確かなんだけど、何を売っているのかが不明。アントネッロが耳を澄ませても、何だか良くわからないのです。
そんな日が数日続いた後、ある日、意を決して小銭を用意し、ちょっとちょっとと手招きをして、何を売っているのか見せてもらいました。
彼が売っていたのは、アーモンドとココナッツ。"Cocco e mandorle !!"(ココナッツとアーモンド)と叫んでいるのですが、訛りが余りに激しくて、分からなかったのです。アントネッロの実家から、10キロしか離れていない小さな村の出身のロッコ君は、夏はこうしてビーチで冷やしたアーモンドとココナッツを売り歩き、冬は玉ねぎとジャガイモを地元で売っているんだそうです。
これが彼が売っているアーモンド。
地元産のアーモンドは小粒で味が濃く、噛むとジンワリ口の中に美味しさが広がります.ビニール袋には氷水も少し入れてあり、アーモンドの皮がつるっと剥けます。海辺で食べるアーモンドもなかなか美味しい。
次の日はココナッツを買ってみました。
シャキシャキという歯ごたえのある冷えたココナッツ。これ、皮ごとムシャムシャと食べてしまいます。
ロッコ君は、こうしてアーモンドやココナッツを売る間、買う人のパラソルの下でちょっと日陰を借りて、煙草を1本吸いながら、世間話をします。でも余りに訛りが強くて、アントネッロも理解不能。途中何度も聞き返したり、言い直しながら確認したり(笑)。10キロしか離れていなくても、別の村だと言いまわしや言葉が全然違うんです。
出発の前の日も、ロッコ君に会う事が出来ました。ユキを買いに走らせたら、最後に、「ご両親に宜しくな」って言ってくれたそうです。
来年も会えるかな?
汗をかきながら、長いビーチを何往復もして、大声でココナッツとアーモンドを売り歩くロッコ君。純粋で働き者の彼との出会いは、今年の夏休みの思い出の1つとなりました。
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