フィレンツェから行くピエロ・デッラ・フランチェスカを訪ねる旅

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さて、ワンデイトリップ話の最終回。アンギアーリ村を後にして、私たちはサンセポルクロという街と、モンテルキという小さな村を訪れました。サンセポルクロの市立美術館には、この街で生まれたルネッサンス期の画家ピエロ・デッラ・フランチェスカの傑作、「サンタゴスティーノ多翼祭壇画」と「キリストの復活」があります。
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サンタゴスティーノ多翼祭壇画 1444年〜1464制作 サンセポルクロ市立美術館
木の板の上にテンペラ画慈悲同信会という団体の為に描かれた作品です。

ミゼリコルディアとは慈悲、救済という意味。王侯貴族や商人達が自らのアイデンティティを余り公にせずに、貧しい人々への救済を行うことが活動の特徴の一つとなっていました。
今でも、イタリアの救急車は、全国的に各地のミゼリコルディア団体が運営をしており、私の友人もその団体に参加し、昼も夜も、出来る時にはボランティアで救急車のドライバーをやっています。何でも、墓地にミゼリコルディア枠があって、亡くなったら、そこに入れるのだとか。イタリアでは救急車は無料なんです。

話がそれましたが、聖母マリアのマントの下にひざまづく4人の男性(左)と4人の女性(右)は何れも信者です。通常、聖人は大きく描かれ、普通の人間は小さめに描かれます。
4人の男性のうち、ミゼリコルディアの覆面をしている人の右横、視線は上に向けているものの、顔は正面を向いている人物がピエロ・デッラ・フランチェスカだと言われています。

そしてこの美術館に納められている、もう一点の傑作はこちら。
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「キリストの復活」  1450-1463年制作 サンセポルクロ市立美術館
フレスコ画現在は修復中で全体像を見る事は出来ませんが、修復中の場がそのまま公開されていて、それもまたなかなか興味深いです。
近々、修復が完了して、ピエロが描いた当時の美しい色に戻る事でしょう。それでも間近で、眠りこける兵士(笑)や、自らの棺桶に足をかけてすくっと立ち上がるキリストの細部まで鑑賞する事ができます。

更にこの後、車で20分程のモンテルキという小さな村に行きました。村はずれの小さな美術館に、ピエロが描いた聖母像が保存されています。
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「出産の聖母」 1455年-1465年制作 モンテルキ 出産の聖母美術館

フレスコ画元々は、この小さな村の村はずれの小さな教会の壁に描かれたそうですが、1700年代後半に村の墓地を作る為にこの教会がかなり縮小され、墓地の為の小さな礼拝堂として改装されたそうです。その工事の際に、剥がされたフレスコ画はこの小さな礼拝堂の祭壇に納められていたそうです。100年後に再発見されるまで、忘れられていたというから、この作品が現在にまで残されたという事は奇跡に近いかも知れません。
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実際に作品を目にすると、思っていた大きさよりも少し小振りでしたが、それ故に、このフレスコ画の魅力がより伝わってきました。
そして実物を見て気づいたのが、見る者の視線を集める妊娠の聖母のお腹。こういう服装なのかと思っていたら、ちゃんと、合わせの紐がほどけているのが判ります。お腹の膨らみ部分を調節出来る様になった当時のマタニティドレスだったのかは判らないけれど、わざと紐がほどけているのを描写してお腹のふくらみを表現するあたりが、私にとってはツボでした。

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ピエロ・デッラ・フランチェスカはこの街で生まれ、生涯、トスカーナとウンブリア州を中心に活動をし、この街で亡くなります。
サンセポルクロでも、このモンテルキでも、美術館の方がとっても親切で熱心で、今も大切にされているんだという感じを受けました。


サンセポルクロ市立美術館冬季
9月16日から6月14日まで 10時〜13時 14時30分〜18時夏季
6月15日から9月15日まで 10時〜13時30分 14時30分〜19時
休館 12月25日、1月1日

モンテルキ「出産の聖母」美術館
9時〜13時 14時〜17時
休館 11月1日から3月31日の毎週火曜日 12月25日、1月1日


今回は立ち寄りませんでしたが、アレッツォの聖フランチェスコ聖堂にもピエロ・デッラ・フランチェスカの素晴らしい「聖十字架物語」のフレスコ画があります。是非、アレッツォ、アンギアーリ、モンテルキ、サンセポルクロを周り、彼の作品を堪能するフィレンツェ発日帰りワンデイトリップを組みたいなと思っています。

トスカーナってまだまだ奥が深いです・・・。

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by lacasamia3 | 2016-01-14 18:36 | フィレンツェから日帰りで行く町 | Comments(0)

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