
山の我が家では、今年はゆっくりめに、ちょっとずつ秋が深まっています。
ゆっくり、ゆっくり・・・。でもいつかは冬が来るんだな~。
でも、冬の楽しみだって色々あります。そのなかの1つは南イタリアから届けられるオレンジ。

昨日は、一足先に、GASを通じて、南イタリア、カラブリア州のロサルノという所から、ミカンが届きました。イタリア語ではclementine(クレメンティーネ)と呼びます。
ロサルノはクレメンティーネの産地で、数年前に、あまりの過酷な労働条件に困窮した移民たちが、大きな抗議行動を起した場所でもあります。この問題は、単に農家が移民たちを不法労働させて収益を上げているという簡単なものではなく、余りに中間業者が何層にも入りすぎ、しかもクレメンティーネやオレンジの値段が下げられて、農家がオレンジの収穫をする人に払える賃金が、法外に下がってしまったというのが原因だと言われています。農家をたたむか、それとも違法に安い賃金で労働者を雇ってオレンジを収穫するか・・・。それ程までに、オレンジと引き換えに農家に支払われる金額は低いのです。
おらが村のGAS(Gruppo del Acquisto Solidale ) では、フィレンツェの多くのGASと協力して、カラブリアの有機農家からクレメンティーネを購入しています。
今回、フィレンツェと周辺の33のGASが受け取ったクレメンティーネの量は、5.6トン!1箱が10キロなので、およそ560箱、500家族以上が今回、購入したことになります。
それぞれの村や地区のミカン係の人が、カラブリアから一晩かけてやって来る大きなトラックとの待ち合わせ時間に、自分の地区を代表して、皆のミカンを取りに行きました。トラックから運び出されるミカンを手際よく持って帰ります。
GASは企業ではないので、利益が出ないことは勿論、移動にかかる経費も自分持ちです。皆、ボランティア。こうすることで、農家はイタリア人であろうと、移民であろうと、キチンと税金を払って法で定められた基準の賃金を労働者に払うことが出来るのです。そして、余分に上がった収益で、通常よりも手がかかる有機農業を継続していくことが出来る。
私達は、スーパーで買うミカンとは全く別物の素晴らしい美味しさの有機ミカンを購入することが出来る。
文章に書くと、何だかキレイごとのように聞こえるかもしれないけれど、コレだけの人たちが動かす力が今のイタリアにもあるということに感動します。
私も参加して既に数年が経ちます。おらが村のGASも参加者の人数が増える一方で、抜ける人は殆ど居ません。安いからとか、便利だからということとかけ離れた価値観、大企業にはおよそ理解不能な価値観が育っていると思います。
もの選びの自由さ(スーパーが押し付ける農産物ではなく)、既存の販売網に頼らなくてもある程度生活していけるという自信、人とのつながりの楽しさ、これらがGASの原動力なのかもしれません。
ロサルノから届いたクレメンティーネは、酸味と甘さのバランスが絶妙に良く、素晴らしく美味しいです。
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イタリアでは蜜柑のヘタ(枝の残り)を取らないのですか?
蜜柑の皮がいたんで保存が利かない様な気がしますが。
蜜柑の皮がいたんで保存が利かない様な気がしますが。
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こんにちは。ニュージーランド、ワイヘキ島のCocoです。
いつもブログを拝見していて、つくづくGASというシステムに感心します。
ワイヘキ島を含むオークランド市でも似たようなシステムはあるのですが、
まだまだ生産者の顔が遠い感じがします。
イタリアなどとくらべて食に対する考え方の成熟度が違うのかな?
大型スーパーが幅を利かせていますね。
なので、ワイヘキ島の人たちの多くが自分たちでお野菜や果物を作ったりしています。
私も小さい菜園ながら野菜やハーブなどを作っている一人ですが、
ワイヘキ島でもGASのようなシステムができないかな~。
いつもブログを拝見していて、つくづくGASというシステムに感心します。
ワイヘキ島を含むオークランド市でも似たようなシステムはあるのですが、
まだまだ生産者の顔が遠い感じがします。
イタリアなどとくらべて食に対する考え方の成熟度が違うのかな?
大型スーパーが幅を利かせていますね。
なので、ワイヘキ島の人たちの多くが自分たちでお野菜や果物を作ったりしています。
私も小さい菜園ながら野菜やハーブなどを作っている一人ですが、
ワイヘキ島でもGASのようなシステムができないかな~。

GAPの原動力、というところ、フムフムとうなずきました。
家庭菜園とは違って、商品としてのもの作り。壁はたくさんあるのでしょうが、着実に広がっているのがスゴイですね。
日本でもあるのかな?
あったら参加したいです。
それにしても美味しそうなオレンジ。chiho さんが絶賛する美味しさが想像できないのですが。どんな味でしょう??
家庭菜園とは違って、商品としてのもの作り。壁はたくさんあるのでしょうが、着実に広がっているのがスゴイですね。
日本でもあるのかな?
あったら参加したいです。
それにしても美味しそうなオレンジ。chiho さんが絶賛する美味しさが想像できないのですが。どんな味でしょう??
Gasにとても興味が有ります。 ここらの地域でも同じようなシステムが有るといいのですが。 (始めるしかないか?)トスカーナ辺りではかなり意識が違うのですね。素晴らしいことだと思う。
フランス語でもクレマンティーヌといいます→みかん。
GAS、牛乳だけでなくて多岐に渡って素晴らしい活動ですね。
フランスも有機栽培の食材のお店が増えてます。ちょっとお値段が高くても購入者は多く、敏感な若い世代が圧倒的に多いです。
GAS、牛乳だけでなくて多岐に渡って素晴らしい活動ですね。
フランスも有機栽培の食材のお店が増えてます。ちょっとお値段が高くても購入者は多く、敏感な若い世代が圧倒的に多いです。
korosukeさん、もともとクレメンテイーネはそれ程、長く持たないので、涼しい所で保管して1ヶ月で食べ切ります。葉っぱを付けておくことで、新鮮さが分かるんですよ。もぎたてで美味しかったです。
waihekeparadiceさん、市場よりももっと生産者と消費者の距離が近い様な感じです。
Giusyさん、私もGasを始める前は、こんなオレンジの味は知りませんでした。甘いだけではない、本当のオレンジの美味しさです。
tomomatoさん、gasは、ミラノ、フィレンツェ、ボローニャ、ローマなど、北、中部イタリアの主要な街を中心に広がっている様です。
erieriさん、おらが村でgasに参加している人は、20代から40代の人が殆んどです。オレンジの季節ですね。

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。

考えさせられる内容の記事でした。私も日本の農業の現実を自分なりに何とかしたくて有機無農薬の農産物を宅配してくれる団体に入っています。原発事故で打撃を受けた福島の農家にも少額ですが支援しています。うちの団体はねだんが高いと言われていますが、農家の努力を思うと妥当な値段だと考えています。本当に価値のある物を買い支えていくしか日本の農業を守っていく事はできないと思っています。贅沢なブランドものの衣類を買うくらいなら食にお金をかける方が今の時代にふさわしいと思います。
chihoさん、初めまして。私はBIOの食品についていろいろ調べているうちにComoにあるGasを知り会員になったばかりなのですが、Gasの「会社ではないので利益が出ない」と言っている部分がよく分からずにいたんです。そうは言うもののどこかで(ちゃっかりしているイタリア人のことだし)仕事として成り立っているのだろうと思っていたのですが、この記事を見つけて、本当に利益関係なしで動いていたんだと今、理解しました(笑 ありがとうございます。
Gasをされるようになって数年になるんですね!昔からchihoさんのブログ、もちろん存在は知っていて遊びに来ることもあったのですが、
Gasの話の回は毎回逃していたようで、この話を見て、そういえば共同購入はフィレンツェでは盛んだと聞いたことを思い出しました。
こちらでもGasで購入する商品はどれも生き生きしていてすばらしいです。生産者の場所や顔が見えて、美味しいものを新鮮で適正価格で買えるシステム、とても気にいっています。
Gasの話だったので思わずコメントせずに入られなくなってしまいました。ブログの更新楽しみにしています。
Gasをされるようになって数年になるんですね!昔からchihoさんのブログ、もちろん存在は知っていて遊びに来ることもあったのですが、
Gasの話の回は毎回逃していたようで、この話を見て、そういえば共同購入はフィレンツェでは盛んだと聞いたことを思い出しました。
こちらでもGasで購入する商品はどれも生き生きしていてすばらしいです。生産者の場所や顔が見えて、美味しいものを新鮮で適正価格で買えるシステム、とても気にいっています。
Gasの話だったので思わずコメントせずに入られなくなってしまいました。ブログの更新楽しみにしています。