ガッリーポリとオリーブオイルの謎

ガッリーポリとオリーブオイルの謎_f0106597_16563529.jpg撮影があったとはいえ、朝の撮影から夕方まで、空いた時間があったので、午後の撮影までの間、風景の撮影をされていた撮影隊の方々とは別れ、アントネッロとガッリーポリを散歩しました。
いつもの海辺のバールで、一休み。ノンアルコールカクテルです。

本の中でも登場する、ガッリーポリの小さな博物館(ドゥオーモのすぐ近くです)に勤めるルーチョに会いに行きました。特に連絡をしたわけではないので、居るかどうか判らなかったのですが、会えて良かった!本が届いたら送る約束をしてきました。


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博物館の向かい側には、Frantoi Oleari Ipogeiと呼ばれるオリーブ絞り所があります。

Frantoio とはオリーブの絞り所のこと、Ipogeo とは地下であるという意味です。
その名のとおり、ガッリーポリの街の真ん中、地下に作られたオリーブオイルの絞り所です。

ガッリーポリの近辺はオリーブの産地として有名です。ただ、いままで私の中では、何故、こんな出島のようなガッリーポリの街の中心部にオリーブ絞り所を作ったのかがずっと謎だったのです。
今回、このオリーブ絞り所(現在は博物館になっています)を訪れて、やっとその謎が解けました。
ガッリーポリは1600年代から1800年代(鯨油のランプが登場するまで)の200年間、ランプのための灯油としてのオリーブオイルの輸出が盛んだったそうです。燃やしても、燃えカスや煙が出ないガッリーポリのランプ用オリーブオイルは高値で取引され、海運により、イギリスやロシアへと輸出されたのだそうです。
馬車で運んできたオリーブの実は潰す前に、この地下の絞り所の倉庫で保管し、一定期間、低い温度(地下なので)でゆっくりと休ませます。こうすることで、煙が出ないという特性を持つ、オリーブオイルが出来たのだそうです。

こうして作ったオイルは、そのままガッリーポリの港から船で出荷され、ヨーロッパ各地に運ばれたのだそうです。

アントネッロに「ね、何で、オリーブ畑の近くに絞り所を作らなかったんだろうねえ?」って聞いたら、彼が

「あのさ、馬車で運んでいる間に、オリーブが何かの拍子で道にこぼれてもそれは簡単に拾えるけれどさ、手間隙かけて絞ったオイルの樽や壺が割れて、中身が出ちゃったら凄い損害だろ?だから港のすぐ近くに絞り所を作って、オイルにしてからの輸送の距離を出来るだけ短くしたのさ。それに、ガッリーポリの港から先は、何が起ころうと購入者の責任だからね。」

と答えました。

まあ、確かにそうだね。

今日のフィレンツェはかなり気温が上がるのだそうです。
涼しいうちに近くの村の図書館に行かなくてはっ!

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Commented by sicilia_trapani2 at 2011-07-09 19:47
イギリスに輸出されるために作られたマルサラワインのカンティーナ、やっぱり船に乗せやすいように港の近くにあるんだよね。
しかしオイルにする前に一定期間休ませることで煙が出ないオイル、、、。通常はオイルはすぐに絞ったほうが酸度が低いと言われているけれど。昔はもしかしてオイルにして保管するより、涼しい場所に実を保管しておいたほうが、日持ちが良かったとか、、、、最近オリーブオイル熱が高い私としては、これも気になる!!!
Commented by nepinepi66 at 2011-07-09 21:29
こんばんは~!おいしそうなカクテル!何味でしょうか・・・?それにしてもいつもアントネッロさんの物知り具合に驚いてしまいます。ガッリーポリ(言いにくいですね・・)、美しいですね!
Commented by gantou at 2011-07-09 21:59
オリーブオイルは我が家でも色々な料理に使っていますが、原産地の話題は珍しく興味を持って読ませて頂きました。アントネッロの博学と、千穂さんの研究熱心にも、感心しました。
Commented by AT_fushigi at 2011-07-10 06:39
オリーブオイルの絞り所の話は学ぶところがあって面白いですね。私なら、オリーブのほうが同じオリーブから使ったオイルより重くて輸送料が高いので畑に近くを取るかもしれません。
↓のパスタ美味しそうです。今年の夏は娘たちとイタリアに出かける予定です。まだ、ローマに入り、ミラノから出るチケットを買っただけで、これから予定をたてます。娘たちは初イタリアなので有名な観光地を中心に組むつもりです。
Commented by woodstove at 2011-07-10 08:36
大航海時代に栄えた港町だったんですね。
当時をイメージして歩くのもわるくないですよね。。。。
オリーブオイルが食用だけでないというのは、初めて知りましたよ。
 日本の和ろうそくもまた、煤が出ないろうそくですが、ちょっとお高いので
神社でしか使われないようですね。。。。(^^ゞ
Commented by napcat at 2011-07-10 08:38 x
おはようございます。22日にスペシャル放送があるんですね!楽しみにしています^^。今までの放送もVTRで楽しみに何回か見ました。ブーリアの美しい街並み、風景を早く見たいです。。。
Commented by morinokochaorin at 2011-07-10 11:27
イタリア料理には以前からすごく気になっていて、だから、こういう話はすごく好きです。

昔イタリアに行ったとき、イタリア人に薦められて買って帰ったオリーブオイルの美味しかったこと。

なんだか・・・良いですね!
Commented at 2011-07-10 16:40
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lacasamia3 at 2011-07-11 23:13
Reiちゃん>冷蔵保存をすることでオリーブの成分が変化して、煙が出ない特性が出るんだって。食用とランプ用と・・・同じオリーブオイルで色々と使い方があったんだね。
Commented by lacasamia3 at 2011-07-11 23:14
nepinepi66さん>パイナップル&オレンジ&レモンだったかな?本当は一杯飲みたい気分だったんですが、この後、撮影があり(汗)、一応、ノンアルコールにしました。
Commented by lacasamia3 at 2011-07-11 23:15
gantouさん>イタリアって(まあ、ギリシャも、スペインもそうですが)つくづくオリーブの国だなあと思います。どの街にもオリーブにまつわる歴史があって、面白いです。
Commented by lacasamia3 at 2011-07-11 23:17
AT_fushigiさん>昔は、道がそれ程良くなかったから、オイルをのせた壺を馬車で運ぶというのはかなりリスクがあったのでしょうね。ご家族での楽しい旅行になると良いですね♪
Commented by lacasamia3 at 2011-07-11 23:17
woodstoveさん>へえ、日本にも煤が出ないロウソク、なんてあるんですね。室内が汚れなくて良いですね。
Commented by lacasamia3 at 2011-07-11 23:19
napcatさん>こんかい1時間ぶっ通しのスペシャル版です(汗)。NHKだからコマーシャルも入らないし。飽きずに見ていただけるでしょうか・・・でも極上の映像は保証付きです。
Commented by lacasamia3 at 2011-07-11 23:20
morinokochaorinさん>イタリア人って薦め上手ですよね。強引だけど、彼らが「これ旨いぜっ!」って薦めるものはやっぱり美味しいです。
Commented by lacasamia3 at 2011-07-11 23:21
鍵コメrさん>楽しみにしていてね。お二人といった場所が沢山映っていると思います。
by lacasamia3 | 2011-07-09 17:15 | ユキちゃんと海 | Comments(16)

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