山の農家から有機リンゴが届きました

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いよいよ秋ですね。
山の上の農家から、GASを通じて有機リンゴが届きました。

そうそう、ブログでも本でも触れている、このGAS(GRUPPO DI ACQUISTI SOLIDALE)というシステム「完全人力ドスコイ共同購入グループ」、イマイチどんな流れになっているか判りづらいので、リンゴ農家の場合のオーダーから納品までを説明します。

まず、グループのメンバーでリンゴ農家の担当のAさんが農家から「そろそろリンゴが採れるよ」という連絡をもらい、オーダーの締め切り、値段、納期などを確認します(ちなみに私は、魚と肉担当)。

Aさんは、我が村のGASのメールリストに「リンゴのオーダー集めます」というメールを流します。その中には、プライス、納期、1箱あたり8キロ(10ユーロ)であることが記載されています。

オーダー開始から〆までの間、それぞれがメールでAさんにオーダーを送ります。中には、1箱10キロは多すぎるので、「半分こしたい人募集」などのメールも回ります。

Aさんはオーダーを閉め、村のオーダーを農家に知らせます。

納品日に村の公園に農家がトラックでリンゴを運んできて、それぞれリンゴをオーダーした人たちが、取りに来て、お金を農家の人に払い、リンゴを受け取ります。

↑我が家がオーダーした8キロのリンゴ。8キロ10ユーロなので、キロ当たり1.25ユーロ。
嬉しいのはこうして、ドサッとプラスチックの箱で来て、この箱はまた次の納品のときに返すんです。簡易包装というよりも、全く包装なし!

今回のオーダーでは、合計で20軒分、約160キロのリンゴが納品されました
リンゴのオーダーはこれから冬の間中、月に1度の割合で行われます。


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2種類のリンゴが混じっています。赤いのはそのままかじって食べるタイプ、緑色のはレネッタリンゴ。これは、そのまま食べたら酸っぱくて美味しくないのですが、ケーキにすると非常に美味しくなるリンゴ。火を通すとトロリとし、適度に酸っぱいので、ケーキにしたときに丁度良いのです。
ご覧の通り、有機だから虫食いリンゴもあります。虫食いの部分だけ避ければOK!勿論、美味しく食べられます。大きさだってまちまち。
畑をやりだす以前は余り気にしたことはなかったのですが、実は形が揃ったり大きさが揃っているフルーツや野菜を作るには、大量の無駄が発生しているんですよね。大きさをそろえたり、形が整ってより大きなリンゴを作るために、大量のリンゴを落とすのです。そして、一部形が揃ったものだけ、高い値段で売る・・・
きっと、農家の人たちも、リンゴを落としたくないのかもしれないし、落としたリンゴはリンゴジュースになるのかもしません。でも、こうした循環は、きっと消費者が、虫食いのリンゴや大きさが揃っていないリンゴ、ヘタが真ん中にないリンゴを買わないからなんでしょうね。


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少しずつ、消費する側が、「農作物は工業製品とは違う」ということを認識しはじめる必要がありそうです。

山の農家のリンゴは、小ぶりだけれど、シャキッとしていて、本当に美味しいです。

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Commented by Summer at 2010-09-26 20:26 x
「農作物は工業製品とは違う」という言葉にはとっても説得力があります。chihoさんがおっしゃるとおり、虫が食っていても形がまちまちで小さくても、味は美味しいので都市の消費者の方も少し考え方が変わってくれると無駄がなくなりますね。

ここ1ヶ月ほどりんご・人参ジュースにはまっています。毎朝ポポがジューサー作ってくれたジュースを仕事場へ持っていくことが日課となってきました。野菜・果物で活発なエリアで買うので安くて新鮮で形がマチマチ。ジュースには十分!
Commented by woodstove at 2010-09-26 21:04
Chihoさん アントネッロさん こん**は~。。。
 ボクは今年も「リンゴの木のオーナー」になりました。
確かにカタチの良いリンゴだけを作るのは大変だと実感しました。
 ある程度の摘果は必要ですが、枝に付いたリンゴ全てを消費出来るんだと知りましたよ。虫食い・傷アリなどできるだけ全て取って帰ります。 だいたい1ヶ月は持ちますので重宝しますよね。。。。(^^ゞ
Commented by emmanuela at 2010-09-26 21:15
たくさんのリンゴ。形や大きさはまちまちでも、写真を通してよい香りが漂ってきそうです!
見た目のよい果物、きれいに揃った果物だけが並んでいるのは、本当はおかしなことですよね。でもそのおかしなことに東京のような都会ではみんなすっかり馴らされてしまってます。
消費者一人一人が変わることで、少しずつでも本来の姿に戻れたらいいな、と思います。
Commented by hi-vison_1103 at 2010-09-26 21:18
そういう生活をできるだけ目指してる私は、こんなリンゴはあこがれのまとでございます〜〜〜!!
byくろべ〜@うらやまし!
Commented by lacucinasiciliana at 2010-09-27 00:01
虫も食わない野菜や果物は、考えてみれば怖いよね(汗)トラーパニにMelone d'invernoという冬まで持つメロンがあるんだけどね、これ、農薬がかかっていると冬まで持たないんだって。薬の恐ろしさを感じるよね。
私も少しずつベランダで栽培を始めたのよ~。夏前に植えた我が家のピーマンは大豊作だったわ(爆)
Commented by vino_seco at 2010-09-27 12:56 x
コメは多分、はじめまして☆です。
私も一昨年から畑を始めました。
といっても、東京都。ちっちゃな市民農園。笑
昨年は、トマト、バジル、ルッコラ、ナス・・・あらゆるものが豊作でしたが、今年は天候の為、全滅に近く・・・泣

こんな天候の中、立派に作物を育てる農家の方、尊敬します☆
そして、その作物にも敬意を払わなければと以前にも増して思った次第です。
おっしゃるとおり、工業製品とは違うのですから。

あ、本、買いましたよ~♪
早読みの私、もったいないから、ゆっくりゆっくり読んでます。笑
Commented by thallo at 2010-09-27 17:50
チホさん、おはようございます。
読みながらそうなんだよね、と納得しました。家にもりんごの木が3本あるんだけど(普通の家です)、本当に頑張って毎年実を付けてくれます。もちろん、形が悪いもの、ちょっと虫くいのものもあるんだけど、十分食べられるのよねぇ。。
野菜も果物も落としたものは、全て家畜の餌になる、とこちらのプログラムでやっていて、なんだか胸が痛くなりました。
うちのオットもGASのシステムっ、本当にいいと思うっていっていました。そうそう、過大包装なんて必要ないのよね。消費者は見た目に敏感になりすぎている気がします。
Commented by noreizoko at 2010-09-28 00:43
お、GASの記事が!羨ましいシステムですね。「農作物は工業製品とは違う」、そうですよね。私が良く行くお店は規格外(恐らく)の小さな人参や少々虫の喰っている品も混ぜつつ、大事そうに野菜を売ってくれています。が、やはり自分はただ買うだけの消費者からは中々抜けられないです。なので、目標にして、これからも楽しみにしています。
Commented by pescevinon at 2010-09-28 14:44
スーパーに並んだ商品は、色も形も揃って甘いけど・・・
子供の頃食べてた果物の方が美味しかったって思います。
最近は、スーパーの一角に生産者コーナーが儲けられてて、作った人の名前や写真が貼ってあったり・・・
野菜や果物も不揃いだけど、美味しいです!
道の駅が人気なのも、人々の思考がそっちに向かっているからかもしれませんね。

庭に植える野菜は、虫食いどころではなく・・・
全部!虫に食べられて消えてしまうのですがo(><)o
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:42
Summerさん>そっちはこれから夏だもんね。美味しい夏野菜が出回るんだろうなあ・・・新鮮な野菜で作る野菜ジュース、きっとカラダに良いでしょうね。忙しい朝に便利。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:46
woodstoveさん>そう、木のオーナーになると、実際に果物がどのようにしてなるのかが本当に良くわかりますよね。形の良いリンゴ1個の背後には、沢山、ボツにされてしまうリンゴがあるのだと私も思います。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:47
emmanuelaさん>そう、農産物には美的感覚を求めてはいけないのです!本当に声を大にして言いたい。曲がったキュウリも、ナスも、多少色が違うカボチャも、美味しく食べられるものなんですよね。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:48
クロエさん>こうしたシステムが日本でも広がっていくと良いですよね。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:50
Reiちゃん>ふっふっふっ、数年後にはReiちゃんは畑をやっているとおもうな(笑)。どっぷりはまってくください。シチリアは理想的な温暖な気候だから羨ましいよ~。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:51
vino_seco さん>本をご購入くださったんですね。本当に有難うございます!今年の日本の夏は強烈だったようですね。ドンマイ!来月はニンニクとソラマメを蒔きます。一緒に畑を頑張りましょう。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:55
thalloさん>そう、消費者って見た目にこだわりすぎだよね。というか、売る側が綺麗じゃないと売れないと思っていて、で消費者も買う判断基準として美しさを評価する・・・もし消費者がそういう判断基準じゃなくて、もっと根本的なところ、どうやって栽培されているのか、そのものを運んでくるためにどのくらいのCO2を排出したのかということを基準に物を買うようになれば、きっと世界はもう少しクリーンになっていくと思うんだけどなあ。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:57
noreizokoさん>少しずつgasのような活動が日本でも活発になってくると良いですね。トスカーナではかなり普及していて、「私もやってるよ~」と良く聞きます
Commented by lacasamia3 at 2010-09-28 16:58
pescevinonさん>日本ではここ数年で「道の駅」という販売システムが普及してきたようですね。私がこちらに来た後からの話なので、まだ行ったことがないのですが、いつか日本に帰ったら行ってみたいと思います。
Commented by nao at 2011-11-22 19:51 x
初めまして。富山在住のなおと申します。
リンゴケーキのレシピを検索して、lacasamiaさんのブログにたどりつきました。簡単で、りんごのシャクシャクも味わえてうれしかったです。素敵なレシピありがとうございます。

>少しずつ、消費する側が、「農作物は工業製品とは違う」ということを認識しはじめる必要がありそうです
すごくわかりやすい表現だなと、勉強になりました。

今年の夏までオイシックスというなるべく農薬肥料を使わない野菜を中心に扱っている、ネットスーパーで働いていました。
そこですら、不揃いなものは廃棄になってしまっていたり、ずいぶん遠いところから輸送した野菜を扱っており、心が痛かったです。
富山に来てみて、近郊で採れたものがスーパーに並んでいて、うれしくなりました。
GASのような仕組みが富山でも作れないか、考えたいと思います。

またおじゃまさせてください。
by lacasamia3 | 2010-09-26 19:23 | シンプルエコライフ | Comments(19)

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