縁の下の力持ちだったロバ~ピッティ宮殿にて

縁の下の力持ちだったロバ~ピッティ宮殿にて_f0106597_18221072.jpg縁の下の力持ちだったロバ~ピッティ宮殿にて_f0106597_18275235.jpg


私が好きなピッティ宮殿の回廊。
回廊の四角い真ん中のスペースは、1500年代後半、フェルディナンド1世の時代に、水で満たされ、海戦を模したイベントが行われたそうです。きっとボボリ公園の側に観覧席が設けられて、見下ろすようにして行われたんでしょうね。
ボボリ公園に向かって左側の回廊の突き当りにはある彫像が掲げられています。


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左側にある小さなブックショップに出入りする人はいるのですが、この彫像の前で足を止める人は殆どいません。


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この彫像の下には、何故かロバのレリーフがはめられています。
実はこのロバは当時とても有名だったのです。
馬とロバをかけあわせて生まれたこのメスのロバは、20年間以上も、ピッティ宮殿の建造のために休まず働きます。そして最後は、仕事場で死んでしまったのだそうです。この働き者のロバに敬意を表して、ロバの飼い主であり、一緒にピッティ宮殿の建造に携わったアントーニオ・ディ・パスクイーノは1575年にこのレリーフを作らせるのです。


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頑張ったんだなあ・・・


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左側で一生懸命仕事をしているのは飼い主なのでしょうか?400年以上経った今でも仲良し(笑)。
背景の建造物は、ピッティ宮殿の回廊を内側から見たそのままの風景です。

ピッティ宮殿にいらしたら是非、回廊の左側の突き当たりにある、「働くロバ」を見てみて下さい。

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Commented by ririmx at 2010-06-04 22:43
なんだかいいお話ですね。ロバ好きなのでよけいにホロリときました。(あ、この子はロバ×馬なんですよね)20年も働き続けたなんてすごい!そしてレリーフにちゃんと飼い主が一緒なのが乙ですね♪
Commented by stereoscopic at 2010-06-05 10:07
勤勉なロバに敬意を。
そしてchihoさん、いつも良いお話をありがとうございます。
それにしても仕事場で死ぬなんて、なんて健気なロバでしょう。
こうして後世に語り継がれて、遠い異国でも感心されるなんて、
このレリーフに刻まれた当時は思いもよらなかったことでしょうね。
Commented by bianca at 2010-06-05 10:08 x
chihoさん、こんにちは。
飼い主はレリーフを作らせるほど、このロバをとても大事にして可愛がっていたのですね。
こんなに心温まるレリーフがあったなんて、何だか感動です!
Commented by Mummy Yu at 2010-06-05 18:18 x
20年間も休まず働いて飼い主さんも良くやった!!と思ったんでしょうね、、だから一緒にレリーフにしたんでしょうね。。ほんのり来る良いお話しでした。このロバ♂×馬の♀=ムーロ〔スペイ語)て言いますが。。オスも雌も生まれるらしいですが子供は作れないと聞きましたよ。奇形が出来ないように自然にそうなって産まれて来るらしいです。丈夫さがとりえで人間が勝手に造った動物です。今はこのムーロもロバも余り見かけなくなったと思いません?このレリーフ見たいな!
Commented by n_home at 2010-06-06 19:12
動物の話は、ついついホロリとしてしまいます。
たとえ使役動物といえど、飼主には大事な片腕、相棒だったんでしょうね。
健康に働いていた頃の姿でしょうか、体つきもたくましく
賢そうな表情をしてますね。
Commented by lacasamia3 at 2010-06-16 01:04
ririmxさん>ロバってヨーロッパでは、昔はとても生活に密着した動物だったんですよね。昔、シエナの近くで草原に黒いロバがぽつんと立っている姿を見たことがあります。可愛かったなあ・・・
Commented by lacasamia3 at 2010-06-16 01:06
stereoscopicさん>後世に名を残したロバ・・・。きっと珍しいでしょうね。ピッティ宮の石は1個ずつがとても大きいからきっと頑張ったんだろうなあって思います。
Commented by lacasamia3 at 2010-06-16 01:30
biancaさん>知らないととおりすぎてしまいそうなモニュメントですが、可愛いロバが描かれています。
Commented by lacasamia3 at 2010-06-16 01:38
Mummy Yu さん>「オスも雌も生まれるらしいですが子供は作れない」ってアントネッロも同じことを言っていました。ロバはたま~にトスカーナでは木こりのおじさんが山から木を切り出すのに使っています。ロバって絶滅の危機がある動物なんですよね。
Commented by lacasamia3 at 2010-06-16 01:41
n_homeさん>使役動物でも、きっと「やりがい」とか「パートナーシップ」みたいなものを感じていたのでは?と思います。昔は人と動物のこうした信頼関係が成り立っていたんですよね。
Commented at 2013-12-16 03:46 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by lacasamia3 | 2010-06-04 20:18 | ピッティ宮殿物語 | Comments(11)

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