ピッティ宮殿の企画展「盗まれた絵画」

↑この題名は勝手に私がつけたのですが(笑)、実際には"L'Arma per l'Arte- Aspetti del sacro ritrovati"(「芸術のための軍」)という題名の企画展でした。
今朝、フィレンツェでの仕事の後、4月6日に終わってしまうこの企画展を見るために、久しぶりにピッティ宮殿のパラティーナ絵画館に行きました。企画展の会場は、とても美しい舞踏室(白の間)でした。
イタリアには軍に属する警察として、カラビニエーリと呼ばれる組織があります。そしてカラビニエーリの中には、美術品を専門にする部があるのです。今回の企画展は、教会や美術館から盗まれ、再びカラビニエーリにより見つけ出された美術品ばかりを集めたもの。
面白いのは、それぞれの作品の横に、盗まれた場所と日時、見つかった場所と日時、当時の新聞の切り抜きなどが表示されていることです。


ピッティ宮殿の企画展「盗まれた絵画」_f0106597_683716.jpg



例えば、↑ピエロ・デッラ・フランチェスカの「二人の天使と聖母子」。
1975年9月29日にウルビーノの国立絵画館から盗まれます。そして1976年、スイスのロカルノで発見されます。
イタリアに「光」をもたらしたと言われるピエロ・デッラ・フランチェスカの光と美しい色彩が魅力的な作品です。奥の部屋の窓から光が差し込んでいるところは、イタリア絵画というよりも、まるで当時のフランドル絵画のようです。この傑作が再び発見されたから、今私の目の前にあるのだと思うと、何とも感慨深いものがあります。

盗難に遭ってから発見まで長い年月が経ったものもあります。
ルーカス・クラナッハの「聖母子と聖ジョヴァンニ」。画像は見つからなかったのですが、ちょっと頭でっかちな幼子キリストと聖ジョヴァンニがとても可愛い魅力的な作品です。
1973年2月14日に、フィレンツェの郊外にあるガルッツォ修道院から盗み出され、27年後、2000年8月7日、闇マーケットに売り出される直前にトリノで発見されます。

"L'Arma per l'Arte- Aspetti del sacro ritrovati"(「芸術のための軍」)展
4月6日まで ピッティ宮殿 パラティーナ絵画館 白の間にて

また、現在、6月27日まで同じくピッティ宮殿内銀器博物館では、メディチ家が所有していたカメオの特別展が開かれています。
これもまた、見に行ったらブログでお知らせしますね。

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Commented by hatton1971 at 2010-03-26 12:14 x
ご近所の様子のほか、こういった芸術作品のご紹介も拝見できるのでこちらのサイトは目が離せません。
なかなか展覧会等行けませんので…。
Commented by woodstove at 2010-03-26 12:49
 Chihoさん こん**は~。。。
 これらの絵画を盗んだ奴らは、どんな目的でどのような手口で
また転売目的であったのか?、依頼主がいたのか?などなど
興味がそちらに行ってしまいます。 当時のセキュリティはどのような
ものだったんでしょうねえ。。。それも興味有りです。。。。^^;
Commented by lacasamia3 at 2010-03-30 23:19
hatton1971さん>私もブログに書きながら、展覧会をしっかりと見に行くようになりました。きっと日本のほうが企画展の数は多いのでしょうが(フィレンツェは常設展ばかりです)たまにフィレンツェでもこういった企画展が催されます。
Commented by lacasamia3 at 2010-03-30 23:21
woodstoveさん>いやいや、イタリアには(というかヨーロッパ、アメリカには)大きな美術品の闇マーケットが存在するので、きっと買い手を捜すのには困らなかったでしょうね。「窓から侵入」って書いてあったので、セキュリティーは無きに等しかったんだろうなあと思います(涙)
by lacasamia3 | 2010-03-26 06:44 | ピッティ宮殿物語 | Comments(4)

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