ジョットに会いに・・・

暖かかった秋ももうおしまい。昨日あたりからトスカーナでは「いよいよ、冬だなあ」と背筋がシャキッとするような冷たい北風が吹き始めました。
昨日は、大好きなお友達(先輩?)のO夫妻と一緒に、12世紀の画家ジョットゆかりの地を訪れました。O夫妻は、イタリア中をくまなく旅行されていて、フィレンツェにも毎年いらっしゃるお友達です。数年前にシチリアのトラーパニでお会いして以来のお付き合い。ご主人がとても美術史に詳しく、画家の好みが「くぅ~」っと唸ってしまうほど(笑)私と似ているので、お会いするのがいつも楽しみなのです。
先日、私も今まで行ったことがなかったCasa di Giotto (ジョットーの生家)という博物館に行きました。ジョットは我が家から車で少し走ったところにある、Vespignano(ヴェスピニャーノ)というところで、1267年頃に生まれます。
羊を飼う農家に生まれたジョットは羊の番をしながら、羊を岩に描いているところを、フィレンツェから来た商人に発見され、フィレンツェのチマブーエの工房に連れて行かれたといわれています。。描いた羊の余りの上手さに、はぐれていた子羊が母羊かと思い、翌朝、岩の前で絵の羊に向かって啼いていたという伝説もあるんですよ。今もなお、このあたりは羊を飼っている農家が沢山あり、たまに道沿いに羊の群れを見かけます。


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ジョットーの生家に行く途中の森。まるでジョットの時代にタイムスリップしたような静寂が支配する空間です。

日本でイタリア彫刻史を学んだ後、イタリアに来て、イタリアの空気を感じながら、さまざまな本物の作品を鑑賞していくうちに、スライドや画集からは得られない様々な印象を受けたのを思い出します。
今の私にとって、中世の絵画や彫刻を鑑賞する時、彼らが当時どんなものを食べていたのか、当時の歴史的背景、当時の町並みはどうだったのかなどを知り、作品をもう一度見直すことがひとつの楽しみです。
そうした背景を知り、もう一度作品に向き合ってみたときに、何百年もの時空を超えて、画家や彫刻家に少し近づけたような気持ちになります。


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今、日本でイタリア美術を勉強されている学生さんにも、是非、がんばってお金を貯めて、イタリアの本物の作品に会いに来てほしいのです。そして美術館や教会で作品を鑑賞するだけでなく、今も残るフィレンツェの伝統料理を食べ、街や村をくまなく歩いて、中世の時代の画家たちの息遣いを少しでも感じてくれた嬉しいなあって思います。


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肝心のジョットの生家は、訪れたときに停電で(苦笑)中を見ることはできませんでした。たった一人で管理をしている若い係員のお兄さんが申し訳なさそうにしていましたが、ジョットーの息遣いはしっかりと感じられたので良しとしましょう。


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私が大好きなジョットの傑作。パドヴァ スクロヴェー二礼拝堂の一連のフレスコ画の1つ、「ユダの接吻」。
1300年代には入ったばかりの当時、これほどのドラマチックな作品を描いたジョット。
同じ、礼拝堂の「キリスト哀悼」もまた素晴らしい作品です。


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フィレンツェのサンタクローチェ聖堂にもジョットの傑作が残っています。晩年のジョットによる「聖フランチェスコの死」。祭壇に向かって右側のバルディ礼拝堂内にある作品。ジョットが当時の他の画家たちと区別され、彼の作品が賛嘆される理由のひとつが、このシンプルでリアルな人物表現です。

多くの傑作を残したアーチスト、ジョットの根底には、ヴェスピニャーノの自然の静寂があるのでは?と思うのです。

この後、どこに食事に行ったかは後ほどお知らせしますね♪

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Commented by matt-frafra at 2009-12-05 08:16 x
10年以上前、初めてアッシジを訪れ、今まで感じてきたルネサンスに至る以前の画家たちに興味を持ち始めたのでした。
フィレンツェもサンタクローチェ、サンタマリアノッベラへ。パドヴァにも。
フレスコは壁からはがせないので、現地に行くしかない。
Commented by maple_sirup at 2009-12-05 10:56 x
建築を学んだ大学のフランス語の授業で・・・
「ジョットーは両手で正確な円を同時に描いた」
の仏和訳を聞いてからお気に入りの画家の一人です。
いつも興味深い内容、イタリア彫刻史の基礎をお持ちだったんだ!納得です。
これからもニッチで深い(ほめ言葉です)イタリアの情景を楽しませていただきます。
Commented by yumilina at 2009-12-05 12:35 x
こんにちは。
素敵なブログだなー、と思いながらいつも読み逃げしてました。
縁あって、学校を卒業して初めて就職をしたのは日本の現代彫刻を扱う画廊でした。
専門的に美術の勉強はしていませんが、彫刻、絵画など好きでして。
ヨーロッパの彫刻を見ての印象は、『お肉を食べて育った人たちの作品』というもの。日本の彫刻とは違う力強さとか、外に向かっていくものを感じました。 当時の人々はどんな物を食べていたのでしょうね? 
Commented by fiorentino at 2009-12-05 14:41 x
本当にタイムスリップしたような空間ですね・・。
ただただイタリアが好き!!という理由ですが、イタリアを初めて訪れたとき、独特の雰囲気を感じました。
それからは、イタリアの美術や食文化、世界遺産などなど・・いろいろなものに興味を持ち始めました。(これっ!!といって詳しいものはありませんが★汗)
これからもイタリアに関しては、興味が尽きないだろうなぁ(^^)
Commented by lacasamia3 at 2009-12-06 02:22
matt-frafraさん>これを機会に、ちょっとジョットーに興味が沸いてきて、無性にパドヴァに行きたくなりました。ローマにも、アッシジにも彼の作品がありますよね。見れば見るほど、素晴らしいアーチストです。
Commented by lacasamia3 at 2009-12-06 02:24
maple_sirupさん>「ジョットーは両手で正確な円を同時に描いた」かあ~。彼の能力を何だかギュッと表現したようなフレーズですね。建築家でもあったんですもんね。
Commented by lacasamia3 at 2009-12-06 02:29
yumilinaさん>いつもブログを見てくださってありがとうございます。うんうん、イタリアの中世の人が何を食べていたのか?って今凄く興味があって、図書館で借りてきた本を数冊、掛け持ちで読んでいます(笑)。豆類、干した魚類が多いんですよ。お肉は裕福層で週に3回、農民などは特別なお祝いのときのみにお肉を食べたそうです。
Commented by lacasamia3 at 2009-12-06 02:31
fireontinoさん>イタリアの魅力って、中世の文化がそのまま残っている部分が多いところです。お料理にも、中世時代から食べ続けられた家庭料理が沢山あるんですよ。特に、豆料理やシンプルな野菜料理などは今も残っています。パスタは随分後なんですよね。
Commented by angela_angelo at 2009-12-07 08:51
おひさしぶりです。ジョォットの生家が保存されているとは、知りませんでした!いつか息子と一緒にイタリア五感の旅に行きたいです。私は日本画を学びましたが、それはフレスコ画のマチエールととても似ていて、ジョォットやマザッチョを観るだけでとても勉強になります。日本画家にアッシジやフィレンツェを訪れてインスピレーションを得る画家が多いのがとてもよく解ります。
私たちがフィレンツェを訪れるときは、ぜひぜひchihoさんにアパートを紹介していただきたいと思っています。息子が何歳くらいになったら可能かなぁ~。
Commented by lacasamia3 at 2009-12-07 18:02
angela_angeloさん>いつか是非、ご家族でイタリアに遊びに来てくださいね。最近は小さいお子様連れのお客様も多いんですよ。アパート滞在だと広々としているし、キッチンが付いているから食事が楽ですよ。うんうん、日本画と13世紀、14世紀初頭のイタリア絵画って似ていますよね。
by lacasamia3 | 2009-12-05 05:32 | フィレンツェから日帰りで行く町 | Comments(10)

フィレンツェで山暮らしをするchihoの田舎便りです。フィレンツェの街歩き情報、イタリア風家庭菜園、お勧めレストラン現地情報、日帰りで行ける街の情報など。フィレンツェの滞在型アパートの紹介サイト「ラ・カーサ・ミーア」を運営しています。


by chiho