
先日、B&Bオルティのご主人から、「知り合いで彫刻のギャラリーをやっている人が居るから、美術史に興味があるんだったらアポイントを取ってあげるよ」と言われ、普通はなかなか訪れることが出来ないすばらしい彫刻のギャラリーを見学させてもらいました。
訪れたのは、先日行った、オルトラルノ地区、Via San Frediano 沿い、サンフレディアーノ門の手前右側にある、ガッレリーア・ロマネッリ。
ロマネッリ家は彫刻家パスクワーレ・ロマネッリ(1812 - 1887)に始まる彫刻家の家系で、今も、その血を引く子孫が彫刻家として、工房を継続しています。


ギャラリーはもともと、教会であった場所なので、天井がとても高く、独特の雰囲気があります。
重い彫像を吊り上げて移動するための昔ながらのクレーンが今も使われています。

この時、実際には、ギャラリーの方と私しか居なかったのですが、ギャラリー内は何だか賑やか(笑)。

美術学校の石膏デッサンでお馴染みの彫像も沢山あります。ローマ時代の彫像をオリジナルからコピーして、石膏や、大理石で再現するということは、ルネサンス時代から行われ、特に1700年代、1800年代にはとても盛んになります。コピーとはいえ、そこにも職人さんの手仕事での腕前が試されるので、やはり芸術作品だと私は思います。


動物モチーフも色々あります。子猫と母猫のブロンズ像、とっても可愛かった♪

色んなバージョンがあるダンテの胸像。う~ん、私は左から2番目の顎をちょっと上に上げたダンテが好きかなあ。

ヴァチカンの聖ピエトロ寺院に保存されているミケランジェロのピエタの複製。これ、実物大です(汗)

事務所に置いてあって、通常はなかなか見ることが出来ないこの作品にも出会えました。
パスクワーレ・ロマネッリ作のイタリア統一の象徴。
1855年、イタリア統一の5年前に制作されたこの作品は、パリのギャラリーで展示されます。1860年のイタリア統一の5年前。イタリア人がそれまでイタリアを支配していたフランス人やオーストリア人を追い出し、イタリア人による統一国家を作ろうと盛り上がっていた時期です。


勿論、それまでの支配国側の反発もあったのでしょう。この彫像は、パリのギャラリーで展示されていた際に、イタリア統一に反対したオーストリア人により、破壊されてしまいます。
バラバラになって戻ってきた彫像は、再び修復されますが、いまも両膝の辺りに、その跡が残っています。
子供が寄りかかっている木の幹の部分にイタリアの国の地図が巻きついているんですよ。その上を蛇がぐるりと巻き付いて、1つにまとめているという面白い作品です。
ここ、ロマネッリ工房では、初級から上級までさまざまな彫刻の実技コースを行っています。1週間の短期のコースもあるんですよ。
ガッレリーア・ロマネッリ
興味のある方はサイトを覗いてみてください。
人気blogランキングへ
気に入っていただけたら↑をポチッとクリックしてください♪
わあ!いいですね。フィレンツェ
Like
素晴らしい。一般市民は見られない貴重な工房の中身をシェアしてくれて感謝です。なんだか大勢の人に囲まれているみたいな、賑やかな雰囲気伝わってきました。彫刻のコース、いつか体験してみたいです。
それにしてもChihoさんの人脈は素晴らしい。
それにしてもChihoさんの人脈は素晴らしい。
ダンテの像、私のイメージに一番近い(?)のは右から二番目です。
いかめしい顔して、帽子をかぶっている、という(笑)。
ピエタの複製像もすごいけど、その後ろに写っている大きな像
(男性の後ろ姿?)に、思わず釘付けです。
どんな像なんだろう~?
いかめしい顔して、帽子をかぶっている、という(笑)。
ピエタの複製像もすごいけど、その後ろに写っている大きな像
(男性の後ろ姿?)に、思わず釘付けです。
どんな像なんだろう~?
彫刻の実技コース ためしてみたいです。

素晴らしいですね。
こういう伝統のものを代々受け継がれていることは、こうして写真で拝見するだけでも、感動のようなものを与えられます。
重い彫刻を吊り上げるクレーン、昔と変わらずに今も使われていることも素敵です。
猫の親子のブロンズ像、かわいいですね(^^)
こういう伝統のものを代々受け継がれていることは、こうして写真で拝見するだけでも、感動のようなものを与えられます。
重い彫刻を吊り上げるクレーン、昔と変わらずに今も使われていることも素敵です。
猫の親子のブロンズ像、かわいいですね(^^)
hiyo5zさん>フィレンツェは何処に行くにも歩いて行けるほど小さいのですが、見所がぎゅっと詰まっていて魅力的な街ですよ。
yumimadridさん>いや~、フィレンツェって小さな町だから結構あちこちで繋がっているんですよ。だから自分が興味があることを周りにアピールしておくんです。新しい仕事に繋がることもあれば、今回みたいにめったに入れない場所に入ることもできるしね。
pino-ombraさん>この大きな像は、1900年代の初めのトルコ兵の記念像だったと思います。巨大でした。
デリヘルさん>いろんなレベルで参加できるのでお勧めですよ。とっても素敵なアトリエでした。
fiorentinoさん>猫のブロンズ像とってもかわいかったです。もちろん芸術作品で1点ものなので、すごーく高いのですが、でもこういうの一生に1つぐらい欲しいなあって思いました。きっとその家で代々受け継がれていく作品になると思います。