カラブリアから届いたミカン

カラブリアから届いたミカン_f0106597_18191950.jpg先週の雨の週末に、南イタリアのカラブリアから美味しいミカンが届きました。
冬場に果物や野菜のバリエーションが激減するイタリア(笑)で、真冬のビタミン不足を補ってくれるのが、南イタリアからやってくるオレンジ類です。イタリアに来たばかりの頃、オレンジの旬が冬だということすら知らなかった私。つくづく、あの頃は、生活の基本を何にも知らなかったんだなあって感じます。
さて、一言に柑橘類と言っても、イタリアではいろんな種類があります。イタリアの柑橘類=オレンジというイメージがありますが、グレープフルーツ(pompelmo)や、日本の温泉ミカンのような小さくて皮の薄いクレメンティーナ(clementina)などもあります。
産地はやはり温暖なシチリア州やカラブリア州多く、11月から早採りのものが出回り始め、種類を変えながら3月頃までが柑橘類の旬なのです。


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↑これは我が家用のクレメンティーネ12キロ。とはいえ、お隣のパオロに分けてあげたり、ユキちゃんがおやつとして学校に持っていったり、毎晩夕食後に皆で競争しながら(笑)食べているので、随分となくなってしまいました。
このクレメンティーネのGASのオーダー集めは私が担当しました。こうして、他の州から取り寄せる農産物については、それぞれの小さなGAS単位では運送を企画できないので、フィレンツェのGASでオーダーをまとめて取り寄せます。わが村からは100kgのオーダーが集まりました。
面白かったのは、今回フィレンツェ全体で集まった合計で3.5トンのオーダの内訳。それぞれ別々に活動しているGASなので、どこがどの位大きいのか今ひとつ判らないのですが、今回のそれぞれのオーダーの量で、大体何家族参加しているのだろう?ということが想像できて興味深かったです。各GASのオーダー平均は100~200kgであったのに対して、サンフレディアーノ地区のGASは450kgのオーダーをしていました。歴史的にも、フィレンツェの街の中でとても大衆的な雰囲気のあるサンフレディアーノ地区には、GASに参加している家族数が多いのでしょうね。
結局、ローマのGASとも協力して、合計で約8トンのオーダーにまとまったのでした。トラックは、一旦、ローマで荷を降ろした後、フィレンツェの2箇所で荷を下ろし、私も10キロ箱を10個取りに行きました。


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有機栽培のクレメンティーネを売ってくれた農家は、今回のGASへの納品が初めて。今まで、こだわりをもって、有機栽培で柑橘類を作っていたそうですが、買取業者はオーガニックなどに全く興味がなく、色の良い一級品だけを選び、本当に安い値段で買い叩いていたそうなんです。このままでは続けられない・・・と思っていたときに、知り合いのボローニャ大学農学部の教授から、GASという共同購入グループの話を聞いて、フィレンツェのGASのメンバーにSOSのレターを出したことがきっかけだったそうです。
勿論、腐っているものは全くなく、きちんと選別されているけれど、でも中には↑このように、色が少し緑色のミカンも混じっています。でも皮をむくと中は甘くて、オレンジ色のミカンと何も変わらないのです。GASでは、勿論、皆、色とりどり、大きさもまちまちのミカンを喜んで食べています。所が、買取業者に出荷するとなると、この10キロ箱のうち2、3キロだけが売られ、残りは廃棄となってしまうそうです。

人間の勝手な美意識を、自然の恵みである野菜や果物に求めてしまうことにより、多くの無駄が発生してしまうのだなあとつくづく思います。
カラブリアから届いたクレメンティーネは、ミカン特有の自然な甘さと、程よい酸味のバランスが良く取れていて、とっても美味しいです。

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Commented by kapibara at 2009-11-13 20:40 x
CHIHOさん、こんばんは!
葉の付いたみかん、久しぶりに見たような気がします。
日本の「みかん」は、何か奥ゆかしい響き。
イタリアのクレメンティーナっていう響きは、やっぱり、おしゃれな感じですよね^m^
小さい頃、指が黄色になるまで食べた事を思い出しました。
そういえば、この前、レオパルディに焼酎を持参し、近所の八百屋さんで
購入したレモンを絞って楽しんでいましたが、かぼすやゆずのような種類もあるのですか??大好きなので、あれば良いのにな~、と思っています♪♪次回も、きっと焼酎は、持参するつもりですので(^^ゞ
Commented by futuro ora at 2009-11-13 23:07 x
日本では形のいい美しい野菜や果物だけが選ばれて売られていますが、イタリアもそうなっていると知って、がっかりしました。

でも、今回のようにGASというグループがあるという情報が伝えられ、ありのままの自然な形の果物が捨てられずに消費されること、本当にうれしいですね。

今後もこのような動きが増えていって、よりエコロジカルで体に安全な食べ物がイタリアに戻ってきてほしいものです。

chihoさん、この度、リンクさせてもらいました。
どうぞ、ヨロシクお願いします^^♪
Commented by ひろりん at 2009-11-14 04:36 x
みかん、おいしそうですね~!イタリアでも、日本同様の食べ物の廃棄が無残に行われているのですね~。量り売りが多いから、そんなことは、ないような気がしていたのですが、残念です。皮も有機栽培のものなら、
アルコールに漬けて、お酒を作ったり、お砂糖と煮てみたり、化粧水とかも出来そうですね~。日本の家では、姪っ子が外に干して、お風呂に入れていましたが。。。
Commented by mariangelica at 2009-11-14 13:24 x
お久しぶりです。クレメンティーネ懐かしいです。あの味!
Commented by lacasamia3 at 2009-11-16 02:24
kapibaraさん>カボスは見たことがないけれど、lime(ライム)は見かけますよ。柚子はたまにyuzuとか書かれて、アジアンマーケットで見かけたような気がします。焼酎にレモンか~美味しそうですね。
Commented by lacasamia3 at 2009-11-16 02:31
futuro oraさん>きっとね、日本のスーパーに比べると、イタリアのスーパーや市場はまだまだエコロジカルだと思うのです。地物の曲がったきゅうりやナスがドカンと積んであるので。でも南イタリアから北イタリアに運ばれてくるオレンジなどは完全に買い手市場で、間にはマフィアも絡んでいるケースが少なくないので、農家はとても大変なようです。これは、最近の傾向ではなく、スーパーという販売方法が確立した70年代以降ずっと行われてきたことなんです。
Commented by lacasamia3 at 2009-11-16 02:32
ひろりんさん>産地での廃棄は、普段は見えてこないけれど、オレンジに関しては良くあることのようです。来週はいよいよ有機オレンジが届くので、皮はマーマレードにしたいと思っています。
Commented by lacasamia3 at 2009-11-16 02:34
mariangelicaさん>1個ずつが小さいので、一度に3、4個食べてしまいます。美味しいですよ~。
Commented by なおこ at 2009-11-25 06:15 x
この記事をみて、”今年もそろそろ・・”と思っていたのですが、近所のシチリア人のガレージのお店は今日がオープンでした。
10kgのオレンジと、5kgのクレメンティーナ(もちろん葉っぱつきです)にオレンジ蜂蜜を2瓶、それに新鮮なチーズを早速買いました(幸せ~)。シチリアの家族の農場直送・直売ですから、これも正規のルートではないですね。でも品質は確かだし(スーパーよりも美味しい)、値段も安いので(スーパーよりも安い)、有難いことです。イタリアはいいなあ~。
by lacasamia3 | 2009-11-13 18:47 | シンプルエコライフ | Comments(9)

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