
ミケランジェロの彫像の中には、未完の作品が多い中、珍しく完成した彫像の1つ。
1496年にフランス軍のフィレンツェ侵攻を恐れ、ローマに逃げ帰ったミケランジェロは、ローマの有名な美術コレクターであった枢機卿ラッファエッレ・リアーリオの招きを受け、彼の古代彫刻のコレクションを見せてもらいます。リアーリオ枢機卿から、これらのコレクションと一緒に中庭に飾るためのバッカスの像が依頼され、ミケランジェロは制作にとりかかります。
ところが、ミケランジェロが制作したのは、人間の理想像のようなダヴィデと違い、酔って立っているのがやっとというこのバッカス。こういう人は終電前の新宿駅のホームに居そうなタイプ(服は着ていますが・笑)。既に酒太りしてしまっている若者という感じ。
リアーリオは完成作を見て、依頼を撤回し、購入することを拒否します。きっと、もっと健康的にお酒を飲むバッカスの像が欲しかったんでしょうね(笑)。こうして、枢機卿が買い取らなかったバッカス像は、その後、当時ミケランジェロの作品を売買していた美術商ヤコポ・ガッロの自宅に保管されます。


後ろから見てもちょっと太り気味(笑)
足元のケンタウルスが葡萄を美味しそうに食べている仕草は、カラヴァッジョの葡萄を食べる青年の絵を思い起こさせます。時代的にはカラヴァッジョが随分後なので、もしかしたら彼はミケランジェロのバッカスを見ていたのかも知れません。

同じ展示室内にある、ヤコポ・サンソヴィーノのバッカス(1510年 写真左)とミケランジェロのバッカスを是非比較してみてください。足元のケンタウルスの配置がほぼ同じだから、恐らく、サンソヴィーノもローマかフィレンツェでミケランジェロのバッカスを見ていたはずです。
サンソヴィーノのバッカスは「健康的にお酒を飲む」タイプのようですね(笑)
フィレンツェでバルジェッロ国立博物館を訪れたら、是非この2体のバッカス像を見比べてみてください♪
追伸:現在、バルジェッロ国立博物館内での写真撮影は、フラッシュの有無に関わらず、厳しく禁止されています。この画像はネットで使用フリーのものを使いました。
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こんにちは、初めてコメントいたします。
いつも楽しく拝見させていただいております。
ミケランジェロのバッカス像、まるでうちの夫とそっくりなので吹き出してしまいました(特にお腹が(苦笑)
うちの夫は今会社の健康診断でメタボと診断されダイエットにいそしんでおります。
お酒ばかり飲んでいるバッカスがメタボであったとしてもおかしくないですよね。
また、フィレンツエからのお話楽しみにしています。
いつも楽しく拝見させていただいております。
ミケランジェロのバッカス像、まるでうちの夫とそっくりなので吹き出してしまいました(特にお腹が(苦笑)
うちの夫は今会社の健康診断でメタボと診断されダイエットにいそしんでおります。
お酒ばかり飲んでいるバッカスがメタボであったとしてもおかしくないですよね。
また、フィレンツエからのお話楽しみにしています。
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chihoさん こんにちは~^^
このバッカス像、ボクには目にも耳にも痛いモノがありますわ。。。。
あの脇腹と下腹あたりの表現は、実にリアル~。。。。。(^^;)
この作品を病院のロビー(メタボ検診コーナー)に置かれる事を
オススメします。。。。(´▽ `;)>
このバッカス像、ボクには目にも耳にも痛いモノがありますわ。。。。
あの脇腹と下腹あたりの表現は、実にリアル~。。。。。(^^;)
この作品を病院のロビー(メタボ検診コーナー)に置かれる事を
オススメします。。。。(´▽ `;)>
ミケランジェロとドナテッロ、ふたつのDavid像は絶対観ると決めてました。(笑)
フィレンツエに着いた次の日は、何かの祭日でバルジェッロの国立博物館は入館無料でした。
ドナテッロのディヴィド像の前で心ゆくまで眺めて来ました。
バッカス像も観ていますが、酔っ払いバッカスという印象は残ってません(笑)
毎日、絵画、彫刻、見続けてると、最初のわぁー!すごい!がだんだん普通になってくるから、なれって恐ろしいものですね。
それから撮影禁止ってサインがあるのに、パチパチ撮ってる人がいるんですよね・・・・あれ、どうかと思います。(汗)
フィレンツエに着いた次の日は、何かの祭日でバルジェッロの国立博物館は入館無料でした。
ドナテッロのディヴィド像の前で心ゆくまで眺めて来ました。
バッカス像も観ていますが、酔っ払いバッカスという印象は残ってません(笑)
毎日、絵画、彫刻、見続けてると、最初のわぁー!すごい!がだんだん普通になってくるから、なれって恐ろしいものですね。
それから撮影禁止ってサインがあるのに、パチパチ撮ってる人がいるんですよね・・・・あれ、どうかと思います。(汗)

ミケランジェロの作品でこんなにおもしろい彫像があるなんて・・(笑)
ぜひ実際に見てみたいです♪
ぜひ実際に見てみたいです♪

バッカスにウエスト周りで勝ちました(誇れるかい…)。
至福の表情というか,ヘラヘラした表情でブドウを食べているケンタウルスの顔が何ともいえない様子です。
それにしましても,同じ500年程度前の日本の美術作品は絵画も彫刻なども今ひとつ写実的な印象に欠けるのですが,なにか理由があるのでしょうか?
至福の表情というか,ヘラヘラした表情でブドウを食べているケンタウルスの顔が何ともいえない様子です。
それにしましても,同じ500年程度前の日本の美術作品は絵画も彫刻なども今ひとつ写実的な印象に欠けるのですが,なにか理由があるのでしょうか?
ハマダトモヨさん>ははは、ご主人、ちょっとバッカスなんですね。美術館の作品も健康診断をしてみると、メタボな彫像も沢山ありそうです・・・
woodstoveさん>うんうん、お尻のタレ具合とか、わき腹のちょっと緩んだ辺りが妙にリアルですよね(笑)。さすがにミケランジェロだなあ・・・
mjmnomamaさん>この博物館はかなり頑なに写真禁止なんですよね。博物館によっては「フラッシュなしだったら撮っても良い」という所もあるんですよ。私はいつも係りの人に聞いています。
komorebiさん>なんだか表情もうつろですよね。後ろからみてもフラフラしているし(笑)。
fiorentinoさん>ミケランジェロの作品ってそれぞれ曰くつきで面白いんですよ。
hatton1971さん>写実性って必要に駆られないと発達していかないんですよね。人体表現はギリシャ・ローマの時代に発達していたものがルネサンス期に再発見され、更に遠近法と共に急速に発展していくのです。日本のその頃の中世芸術には写実をする必要がなかったからだと思いますよ。その時代の日本人は実際の写実よりも、物語を語る時間表現や独特の空間表現を追及していたんですよね。その頃の日本の芸術にも素晴らしい作品が沢山あります。

詳しいご説明ありがとうございます。
安土桃山〜江戸時代にかけて見かける絵画は,おっしゃるとおり「写実をする必要がなかった」と感じさせられます。
歴史上の人物の肖像画のことばかり考えているから西洋の肖像画と比較してしまうのかもしれません。
安土桃山〜江戸時代にかけて見かける絵画は,おっしゃるとおり「写実をする必要がなかった」と感じさせられます。
歴史上の人物の肖像画のことばかり考えているから西洋の肖像画と比較してしまうのかもしれません。

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
鍵コメkさん>こんな写真で宜しければ、どうぞお使いください。卒論頑張ってください

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