石釜レポート

昨晩、ユキちゃんと電話で話しました。
ユキちゃんは電話で、
子猫たち(海の家には母猫と遊び盛りの2匹の子猫がいるのです)を砂遊び用のバケツに入れるんだけど(コラコラ)、もう1匹を捕まえに行っている間にバケツの中にいた子猫が逃げてしまうこと、
砂浜で甥っ子達とキレイな色石を沢山見つけたこと、
海の中で大きな(?)お魚を見たこと・・・などをワーッと一気に喋って電話を切ろうとしていました(苦笑)。
マンマとバッボが居なくて寂しくない?ってちょいと聞いてみたら、「さみしいよ~(←口調から完全に社交辞令)。ところでさ、マンマとバッボがこっちに迎えに来ても、すぐフィレンツェには帰らないよねっ!」と言われました。こりゃ、フィレンツェに連れて帰ってくるのが大変そうです。
それにしても、バケツを持った悪ガキと子猫の追いかけごっこ、見てみたかったなあ・・・。この後、いたずらっ子3人は、おばあちゃんにしっかり叱られたそうです(笑)。


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さて、↑は義父さんの石釜。30年ほど前に自分で作ったものです。30年間、ほぼ週に1回の割合で火を入れてパンを焼いたりフリーザと呼ばれる固いベーグルのようなものを焼くのに利用し続けています。
アントネッロ曰く、「デザインが全然美的じゃない」そうですが、耐久性、機能性は30年保証済み(笑)。

基本構造は、窯の部分、手前の前室、前室の上についた煙突で成り立っています。


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前室の部分は、魚や肉を焼く時のバーベキュースペースとしても活用します。

何故、窯自体に煙突をつけず、ワザワザ手前の前室の上につけているかというと、まずは窯の蓋を開けたまま、ボンボンと火を燃やします。その時、煙は前室を通じて煙突から上に吸い上げられます。
薪が燃え尽きて、窯の内部が十分高温になったら、焼きたいものを入れて蓋を閉めます。一方、ピザやプッチェなど素早く焼くものは、蓋を開けたまま生地を出し入れします。
とにかく焼くものを中に入れる時には、火が燃えている状態じゃなくて窯の壁が高温というのがベストなのです。


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←これが前室から煙突を見上げたところ。


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内部に使われているのはchianca(キアンカ)と呼ばれるプーリア特有の自然石です。このキアンカは、三角屋根で有名なトゥルッロの屋根にも使われているんですよ。横からしか見えないので判りませんが、トゥルッロの屋根のキアンカも、上の右の写真のように平たい形をしています。
耐熱性があり、熱を保つ特性があるので、こうして石窯の内部に使われるのです。

実際にどうやって石窯を作ったのか、までは聞きませんでしたが、今度聞いてみますね。


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さて、この日のお昼はgiambotto(ジャンボット)。方言名なのか?何故こういう名前がつけられているのか?は全く判らないのですが、アントネッロ宅では定番の夏野菜料理です。カポナータみたいな感じかな?ナス、ズッキーニ、ジャガイモ、トマト、インゲン豆などの野菜を一緒に炊いて、オリーブ、ケッパーとバジルで味付けした野菜料理です。夏、暑い時に食べるとちょっとホッとする1品。
ユキちゃんは大盛りのジャンボットをペロリと平らげて、更にお替り。ユキちゃんを預けてフィレンツェに戻ってくる時に「ほどほどにね~」と言っては来たものの、お婆ちゃんは孫の「おばあちゃん、おかわりある?」という言葉に弱いのです。あ、日本の母もそうだから、これはきっと世界共通ですね。

ユキちゃん、沢山食べて、その分沢山遊んでね。

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Commented by M.K. at 2009-07-25 23:48 x
凄く立派な石窯ですね。こんなのが素人で作れるなんて、それに食べ物に対する関心の強さにも脱帽です。毎日ユキちゃんはお祖母様の美味しいお料理を食べて大満足でしょうね。こういったお家に伝わるお料理は是非ユキちゃんにバトンタッチして貰いたいですね。
彼女ならやるわね、きっと。
Commented by ziggyus at 2009-07-26 00:14
ゆきちゃん、夏休みを大いに楽しんでいるようですね。
フィレンツェに帰ってくる時にはまた このひと夏でひとまわり成長してるんだろうなぁ。
おじいちゃん、おばあちゃんに一緒に遊べるいとこ達。。。思い出いっぱい作ってほしいな。
おばあちゃんのお料理も愛情こもって、野菜たっぷりでとてもヘルシーそうです。
フリーザを焼く時にはChihoさんもお手伝いにいくのかな?
Commented by akiko.ume at 2009-07-26 00:23 x
私の父が窯を手作りしたいと2年位前からぼやいています。窯の周りはレンガの様ですが、中のキアンカの代用になる石はあるのでしょうか。。。
実際の石窯作り情報、楽しみです。
Commented by sicilia_trapani at 2009-07-26 01:04
たしか、Ciambottaというカラブリアだったかバジリカータの料理があったけど。プーリアではGiambottoか。面白いね。
アントネッロの豆男はお父さん譲りか~。30年前に作ったのに本格的だよね~、釜。最も、昔の人は自分で家も建てちゃうくらいだからすごいよね(汗)
Commented by sironekosan at 2009-07-26 08:13 x
ユキちゃん逞しいなぁ・笑
楽しくて仕方ない様子が分かって、マンマとしても一安心ですね・笑
ワタシも小学5年生の時にじぃじの家に1ヶ月程弟と滞在ましたが、とてもいい経験だったので、うちの子達にも・・・とは思っていますが、2年生になる夏に・・・はちょっと無理そうかな、なにせうちのはヘタレ姉弟だしね・爆
調べてみたらプーリアってアドリア海の方にも海を持っていたので、どの辺りの海で遊んでいるのかなー?と気になっていたので、教えて貰えて嬉しかったです・笑
プーリアの、タラント湾の方なんですね^^あ、クロトーネにafricaさんがまた戻る様ですから、もしかしたら会えるかな?←ワタシが会える訳ではないのにね・笑
Commented by greenlove at 2009-07-26 08:38 x
いつもyukiちゃんの健啖ぶりにはびっくりしますがその割にはとってもスマートですね。私たちが同じように食べたらきっとメタボまちがいなしですね。やはり若さでしょう!
私の孫たちも我が家に来るともう帰りのことを気にして「いつまでいられるの?昼に帰る?夜ごはんまでいれる?」と
確認してからやっと落ち着く感じです。なんて言うこともないのですがおばあちゃんちはいいみたいですよ!
Commented by woodstove at 2009-07-26 17:06
chihoさん こん**は。
 石窯の構造の解説をありがとうございました。
やはり国ごとにその構造が違うのですね。
昨年の秋にお手伝いをさせていただいた、石窯のパン屋さんですが
これが日本式なんですよ。 それは日本古来の炭焼き窯を応用したのです。 温度も高温になり追い炊きも出来るような設計です。
石窯に関する資料となる書籍も多くありますが、そのほとんどはヨーロッパのモノでした。 薪ストーブを作っていますので、その構造に、興味が湧いてしまいます。。。どうもありがとうございます。。。(^^;)

 さてさて、ユキちゃんの夏の日々なんていう写真集も出来そうですね。。。(^^;)
 
Commented by baru-nishio at 2009-07-26 20:39
>このキアンカは、三角屋根で有名なトゥルッロの屋根にも使われているんですよ。

そういえば、円錐形屋根の集落で有名なアルベロベッロもプーリア州でしたねぇ♪
TVでここの石を加工して積んでゆく屋根職人の映像を見ました。
石窯や屋根素材として…地元の素材を生かした文化、大切にしたいですねぇ…。
Commented by fiorentino at 2009-07-27 14:38 x
義父さん、こんな大きな石釜を作られたなんてすごいですね。
30年ものとあって、年季もあり立派なものですね。
ポンペイの遺跡のパン屋さんを思い出しました(笑)
ユキちゃんはその日あったことをchihoさんに報告するのがとてもうれしいのでしょうね~。
夏野菜のお料理おいしそうです(^^)
夏野菜は色とりどりでおいしくて、一年の中で取れる野菜で一番好きです。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 17:35
M.K.さん>最近は遊ぶのに夢中なのですが、基本的にユキちゃんはお料理に興味があるので、大人になったら、きっとご飯を自分で作れるようになるかな?
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 17:37
ziggyusさん>いやいや、フリーザ作りは義母さんと義父さんの見事な連係プレーなので、私が手伝う余地はなく、ほお~と感心しながら、ダメ嫁はいつも写真ばかりをパチパチと撮っています(笑)
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 17:41
akiko.umeさん>アントネッロ曰く、耐熱素材であれば、何でも良いそうですよ。普通のテラコッタでも大丈夫だそうです。但し、大切なのは1枚ずつの大きさ。キアンカもそうですが、窯に使う場合には、小さく切って使っています。1枚ずつが大きいと熱で膨張して割れてしまうんだそうです。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 17:43
Reiちゃん>うん、そうだね。イタリアに来てツクヅク「へえ~こんなものも自分で作れちゃうんだっ」って感心することが良くあります。カラブリアだとチャンボッタか~似ているね。語源は何なんだろう?
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 17:46
sironekosanさん>ユキちゃんにとって、こうして親元を離れて一人で過ごす夏休みはとてもよい体験になっているようです。土産話が多そうだなあ・・・。クロトーネかあ、地図で見ると近いのですが、まともな道がないので意外と時間がかかるのです。船で行けば近いかも(笑)
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 17:47
greenloveさん>いやいや、ユキちゃんは横幅が「ガシッ」としています。たまにお友達とかを見ると、スラ~っとして華奢で可愛いのですが、ユキちゃんは何だかがっしりした感じ(笑)。まあそれだから病気をしないのかも知れませんね。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 18:02
woodstoveさん>日本式の窯の構造も面白そうですね~。昨日、アントネッロにどうやってドーム状にしたのか聞いたところ、義父さんの窯は、中に土の山を作ってそのうえに石素材を並べ、接着に使った耐熱セメントが固まった所で、土を掘り出したそうです。また、木枠を作ってそのうえにドーム状に石を並べて、最後に木枠を燃やしてしまうというやり方もあるそうですよ。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 18:04
baru-nishioさん>プーリアはキアンカとかピエトラヴィーヴァと呼ばれる地元の石素材が家や石畳に使われているんですよ。フィレンツェだと、ピエトラセレーナです。それぞれ土地柄が現れているのが面白いです。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-27 18:05
fiorentinoさん>ユキちゃんは、何だか電話をしている時間ももったいないようで、ソワソワしています(笑)。まあ、今度会ったらゆっくり色々と語ってくれることでしょう。
by lacasamia3 | 2009-07-25 22:20 | ユキちゃんと海2009 | Comments(18)

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