GASのおつかいで高原の有機農家へ

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先日、GASを代表して、我が家から2時間ほど山の上に行った農家にチーズを買いに行きました。
フィレンツェとフォルリの間にそびえるアペニン山脈の上、アルト・ムジェッロ地方と呼ばれる高原地帯です。
この農家は、今まで我がGASのためにチーズを月に1度運んできてくれたのですが、最近は牛のお産が続き、忙しくて来れなくなってしまったのです。
GASはGruppo di acquisto solidale。ただの有機作物の共同購入グループではなく、小さな農家を支援するグループでもあります。だから、その農家が健全な形で存続していくためにグループ側が手助けをしたり妥協したりすることも多々あります。これがスーパーとは違うところ。

皆で話し合った結果、毎月1人グループの誰かが、ピクニックがてらに農家を訪れ、チーズを取りに行くことにしました。
というわけで、今回は私がGASを代表して、チーズ、ヨーグルト諸々、合計40キロを取りに行ったのでした。


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暑かったけれど、山の上は気持ちが良い~!
このあたりは、昔、結婚前によくアントネッロとドライブに来た思い出の場所です。今回、GASのお陰で再び訪れることが出てちょっと嬉しかったなあ。

お、居る居る~。33ヘクタールの土地に、8頭の牝牛がいます。この日は余りに暑すぎて、牛達は牛舎で涼んでいました。おばさん曰く、真夏は、牛達はこうして昼間は牛舎でのんびりと過ごし、夕方涼しくなってから外に出て、夜遅くまで草を食べているそうです。
牛の食欲はミルクの出に影響するからとっても大切。この農家では、敷地内で育てている有機栽培の牧草のみを食べさせています。


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乳牛としてはイタリアでも白黒のホルスタインが多いのですが、ここの農家では、名前は忘れましたが、別の種類の牛を飼っています。ミルクの量は少ないそうですが、上質の味の良いミルクが出るそうです。

赤ちゃん牛も2頭居ました。可愛いなあ。


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農家はおじさんとおばさんの二人でやっています。おじさんが柵の補修や干草の刈り取り、種まきなどをし、おばさんが牛の世話をしながらチーズを作っています。
たった二人で8頭の牛の世話と、チーズ作り、それに33ヘクタールの農地の管理をするなんて凄いなあと感心しました。


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こんな環境でゆったりと育つ牛は幸せです。
おばさんが牛に話しかける優しい声が印象的でした。


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この日の午後、フレッシュなチーズをGASのメンバーに届けました。牛のミルクで作ったチーズは、カチョッタ、スカモルツァ、トミーノ、タレッジョなど様々です。
我が家でも、この日早速、新鮮な"tomino"(トミーノ)を食べました。とてもクリーミィで、心地よい酸味があります。オリーブオイルを少したらして、パンにのせて食べました。

優しい目をした牛達と高原の風を思い出しながら味わったトミーノは格別の味でした!

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Commented by sironekosan at 2009-06-24 06:05 x
おぉっ!なんて健全なお買いものなんでしょうっ!笑
本当の事がわかるって、いいですよね。
最近青い碧い海に焦がれていますが、やっぱり青い青い山も好きだなーっと、素敵な写真を見て思いました。←私たちも、よく田舎へドライブしたものです・笑
Commented by dihiya at 2009-06-24 06:24 x
こういう生活っていいですね~。あこがれるな・・・・。きれいな空気を吸って伸び伸びと育った牛さんから取れるミルクでつくられるチーズは格別においしいに違いないですよね・・・・。イタリアに住みたいです・・・・。
Commented by negibana at 2009-06-24 09:46 x
スーパーで売っているものを食べることが、当たり前になっている生活の者にとって、つくられている場所に買いに行けて、それがその日の食卓にあがるなんて。羨ましいな~。
 山の写真、青空でとてもきれいで気持ちが良さそうです。子牛ちゃん かわいいですね!
Commented by chokoandtardo at 2009-06-24 10:14
本当に素晴らしい環境の中で育てられてますね!贅沢な牛ちゃん達。そんな贅沢な環境の中で育てられた牛からとれるミルク、美味しいだろうなぁ~。チーズもとってもおいしそう。食べてみたいです。
Commented by kotobuki at 2009-06-24 10:24 x
はじめまして。何年もお邪魔させてもらって、今日初めてコメします。
地球のどこかでこのように農業を営んだり、そしてそれを支えている人々がいる。という事に喜びを感じ、安堵します。日本でできるのは、有機&自然栽培の農家さんから購入するくらいしかできないものなー。
でもこの農家のおじいさんとおばあさんには跡継ぎの方はいらっしゃるのでしょうか?そんなのは余計な心配か。
イタリアは先進国のなかの後進国だけど、こういう点はすばらしいと思います。そしてChihoさんファミリーの生き方や考え方もとてもすばらしいといつも感銘を受けています。何があってもサバイブできる知恵と知識と強さを持ち合わせていますよね。これからもどうぞよろしく。
Commented by woodstove at 2009-06-24 12:02
いいなぁ。。。
牛もストレス無く、すくすくと育っているようですね。
このように人も家畜もストレスが無いのは、ほんとうに羨ましい限りです。
(^^;)
Commented by kumiko at 2009-06-24 13:38 x
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。ユキちゃんの成長振りにはほんとに驚きです。まだ可愛らしい小さな女の子だったのに、今ではすっかりリトル レディですね。実はGASの事が時々書かれているのでコメントさせていただきました。GASはヴェローナにいる私の友人が作り、始めた組織ですが chihoさん家族がとても有意義に利用されているのでたいへん嬉しく思います。これからも楽しいフィレンツェの様子を伝えてくださいね。
Commented by fiorentino at 2009-06-24 14:30 x
なんてなんておいしそうなチーズ~!!(>▽<)
食べなくてもおいしいってわかります☆
GASは本当によい活動をされてるんですね。
農家の方を助けながら、おいしいものを手に入れるってさらに食材がおいしく感じられそうです。
毎月グループの中のどなたかが農家の方のところに行かれるのですね。
みなさん、chihoさんのようにめんどくさがらずに行かれるのでしょうね。
日本なら、『誰かが』となると少しトラブルになってそうです(^^;)
自然の中でストレスなく育てられている牛さん達同様、そういうところにもイタリアの穏やかさを感じます。
Commented by Summer at 2009-06-24 15:25 x
わあ〜、ハイジがすんでいるところのような草原ですね!素敵。チーズもその辺で帰るチーズとは格別に味が違うんだろうなあ。全く想像もつきません。いつもとってもとってもものすご〜く羨ましいです。「いいなあ」の一言しか口からでません。(笑)
Commented by やまね at 2009-06-26 22:53 x
素敵ですね~。支えてくれる人、それも時に人間らしい妥協も許してくれる人達がいるからこそできる仕事ですね~。
ヤギ一頭の牧草だけでも、ひーこら言っている私にはとてもできない!
ハードなお仕事だなあ、と感じました。
でも今日もせっせと牧草を集めて、chihoさんのブログを拝見させてもらっています。
Commented by ねむりぐま at 2009-06-27 04:40 x
できたてのチーズ、おいしそうですね~☆
33ヘクタール.....なかなか想像も難しいですが、牛が元気にのんびり過ごすには必要なのでしょうね。 優しそうな目をしてますものね。
Chihoさんが取りに来てくれて、おじさん、おばさんも助かっていますね。
しかし40kg...お疲れ様でした。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:54
sironekosanさん>こうして農家に直接買いに行くと、どういう風に作られているのかが判ってより安心感があります。イタリアの山もなかなか良いですよ。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:54
dihiyaさん>イタリアの畜産業も問題があるところもあるけれど、トスカーナでは牛を放牧して干草を食べさせている農家が結構あります。チーズ、美味しかったです。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:54
nagibanaさん>田舎に住むって不便なこともあるけれど、こうした楽しみもあるんです。スーパーに殆ど行かなくなりました。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:55
chokoandtardoさん>イタリア自体、牛乳は割と美味しいのですが、更にこうした農家の牛乳は美味しいです。牛のコンディションによってミルクの味が変わるのは当然ですもんね。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:56
kotobukiさん>こうしたGASという市民グループは最近フィレンツェでも増えています。それぞれは有志が集まった小さなグループで企業などは全く関係なく、こうして直接農家から色々な農産物を購入するんですよ。こうすることで小さな農家を支えることにもなります。確かに、我が家はサバイバルな状況にも強いかも(笑)。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:57
woodstoveさん>牛だって環境によってはストレスを感じますもんね。私が牛だったら(笑)こんな農家で育てて欲しいなあ
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:57
kumikoさん>へえ~そうなんですね!ヴェローナあたりで発祥したんじゃないかとはうすうす思っていました。フィレンツェのGASは大小合わせて70グループ位あるそうです。それぞれ、別々に活動はしているのですが、魚などの購入の際には、色々なGASが集まってまとめて、購入しています。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:58
fiorentinoさん>GASの原動力って「それぞれのメンバーが皆のためになにかやる」っていうことなんです。人任せだったらGASは成り立たないんですよ。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:59
Summerさん>ホント、ハイジが走って来そうな草原でした(笑)。良いピクニックになりましたよ。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:59
やまねさん>今、牧草集めのシーズンですよね。きっとヤギ1頭でも、冬のためには大量の牧草が必要なんだろうなあって思います。子育てとヤギ育てと・・・頑張ってね。
Commented by lacasamia3 at 2009-07-02 19:59
ねむりぐまさん>8頭の牛が食べる牧草をまかなうためには最低でも33ヘクタールないと駄目なんだそうです。これを考えると、毎日取り続けられるミルクやチーズは別として、肉牛を育てるということはいかに広い土地が必要で、しかも一度殺してしまったらまた新たな子牛を育てるしかないのだと思うと、お肉って本当に貴重な食物なんですよね。感謝しなくては・・・。
by lacasamia3 | 2009-06-24 05:03 | シンプルエコライフ | Comments(22)

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