アールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ

アールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_16322611.jpg



母はもう今朝、日本に帰国したのですが、引き続き、母と過ごしたここ数日について書きますね。
先日、前から行ってみたいと思っていた、ボルゴ・サンロレンツォ村のキーニ窯博物館(Museo della Manifattura Chini)に陶器が好きな母と一緒に行って来ました。
我が家からは車で30分程ですが、フィレンツェからもローカル列車で1時間で行くことができます。村はずれにある博物館は、ヴィッラ・ペーコリ・ジラルディという1200年代に遡る古い邸宅の中にあります。その後、数度の改装を経て、1902年にキーニ家によって内装をアールヌーヴォースタイルで統一され、現在までその装飾が残っています。


アールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_16334699.jpgアールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_163556.jpg


もともとフィレンツェでガリレオ・キーニによって立ち上げられた陶器のアトリエが、1906年にボルゴ・サンロレンツォに移され、大々的に当時のアールヌーヴォースタイルを取り入れた陶器の生産が始められます。
アールヌーヴォーといえども、イタリアのアールヌーヴォーの成熟期は少しフランスやイギリスよりも遅れ、1920年代が一番盛んな時期となります。一般的にイタリア人は、この時代のことを"Liberty"=リーべルティと呼び、(べルのルは巻き舌・笑)とイタリア訛りで発音します。


アールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_16374852.jpgアールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_16422418.jpg


水差しや、カップなど、植物や動物をデザインに使い、装飾を沢山施すところはフランスのアールヌーヴォーの流れをくんでいるのでしょうが、何とも田舎っぽい素朴な魅力を持つのがキーニ窯の特徴です。

写真右は、「ダンテとベアトリーチェのプロフィールをあしらった水差し」だそうですが、どちらもゴツイ顔で(笑)どっちがベアトリーチェなんだか判りません。フィレンツェらしいテーマですね。


アールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_16441519.jpgアールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_1648436.jpg


このキーニ釜の魅力を一番良く表現しているなあと思うのが、gre's salato(グレース・サラート)と呼ばれる手法です。焼きあがる直前に塩化ナトリウムをふりかけると、こういう風に曇りガラスのようなザラッとした効果が出るそうです。この手法だと陶器の耐久性も上がるそうなんですよ。
ベージュがかった白やブルーが素朴な感じでとても魅力的です。この帆船の水入れのデザインがとっても可愛かったです。
茶色地にブルーの模様をつけた壺などは、エトルリア時代の陶器にとてもよく似ています。


アールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_1650129.jpg



昔のキーニ窯。今ものんびりしているけれど、1900年代初めのボルゴ・サンロレンツォってこんな感じだったんですね。畑があちこちにあったんだろうなあ。


アールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_16532095.jpgアールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_165476.jpg


カフェラッテ用なのでしょうか?素敵なカップとソーサーです。
逆光なのですが、こんな番地のタグも作っていたんですね。今もイタリアではこのスタイルの番地タグが多いです。


アールヌーヴォーの陶器博物館~ボルゴ・サンロレンツォ_f0106597_16552719.jpg←この人が、ボルゴサンロレンツォに窯をかまえたGallireo Chini(1873 - 1956)。なんでも、1896年にフィレンツェの歴史ある窯ジノリがミラノのリチャード陶磁器会社と合併したことに対して、ガリレオ・キーニが「トスカーナの伝統的な陶芸窯をミラノ人に売るとは!トスカーナ人の伝統を後世に伝える陶器産業を立ち上げようじゃないかっ!」と奮い立ち、ボルゴ・サンロレンツォに工場を立ち上げたんだそうです。

ルネサンスの時代の美術品が注目されがちなイタリアですが、イタリア近代の陶器を見ることが出来る珍しい博物館です。外の緑もなかなか気持ちが良く、ドライブやお散歩がてらにボルゴ・サンロレンツォ村によるのも良いですよ。
美術館の中にツーリストインフォメーションもあり、バスや列車の時刻、周辺の地図、宿泊施設のリストなども見ることが出来ます。

Museo Manifattura Chini
VILLA PECORI GIRALDI
Piazzale Lavacchini, 1 - Borgo San Lorenzo

開館:木曜ー日曜 9時ー13時、15時ー19時
休館:月曜ー水曜

ボルゴサンロレンツォの駅を背にして左手の坂を下り、大通りを渡った先の左側です。駅からはのんびり歩いて20分ほどです。
アグリツーリズモ、ポデーレベッチからも最寄の駅から列車で10分ほどなので滞在中にボルゴ・サンロレンツォ村を訪れるのも楽しいですよ。

人気blogランキングへ
気に入っていただけたら↑をポチッとクリックしてください♪
Commented by fiorentino at 2009-05-21 22:18 x
旅行のツアーなどでは行かないような、こういった博物館や村っていいですね~。
イタリアの本当の魅力があふれている感じがします。
こちらの博物館もとってもよさそうですね。
下の方の写真のカップ&ソーサー、すごくステキです~(^^)
番地のタグもステキです。
こういったタグがさりげなく使われているイタリアの街、本当に大好きです♪
Commented by Chris at 2009-05-22 07:40 x
素敵な博物館ですねー。いいなぁ。
3年前にボデーレベッチに行きました。この博物館は、ボデーレベッチからも近いんですねー。ディコマーノの駅から10分くらいなのでしょうか?
また、ボデーレベッチに行く機会があったら、ぜひ行ってみたいです~。
Commented by sicilia_trapani at 2009-05-22 07:44
シチリアはマヨルカ焼きだけれど、フィレンツェはアールヌーボーか~。歴史の違いを感じるね。とはいえども、やっぱり一番色が出やすかった青が基調なのはどちらも一緒ね。次回フィレンツェを訪れる時に、行きたいな~。
Commented by lacasamia3 at 2009-05-24 08:06
fiorentinoさん>カップ&ソーサーは、イタリアのコーヒーにしてはかなり大きいから、カフェラッテ用だったのかな?などと想像しています。
Commented by lacasamia3 at 2009-05-24 08:06
Chrisさん>3年前に滞在してくださったんですね。ディコマーノ駅から2駅目の終点です。10分くらいですよ。いつかいらっしゃることがあったら是非、行ってみてくださいね。
Commented by lacasamia3 at 2009-05-24 08:06
Reiちゃん>シチリアの焼き物はアラブ文化を感じさせる魅力があるよね。次回フィレンツェに来ることがあったら、一緒に行こうね
by lacasamia3 | 2009-05-21 18:20 | フィレンツェから日帰りで行く町 | Comments(6)

フィレンツェで山暮らしをするchihoの田舎便りです。フィレンツェの街歩き情報、イタリア風家庭菜園、お勧めレストラン現地情報、日帰りで行ける街の情報など。フィレンツェの滞在型アパートの紹介サイト「ラ・カーサ・ミーア」を運営しています。


by chiho