

現在は残念ながら外壁の修復のために足場が組んでありますが、ここからヴァザーリのヴェッキオ橋の上を通ります。
回廊は、このヴェッキオ橋のたもとで左にカーブします。丁度、このカーブする部分に、Jacopo da Empoli(ヤコポ・ダ・エンポリ)作、「聖エリージョの誠実さ」(1614年)があります。Sant' Eligioとは、金細工職人の守護聖人です。既に1593年にフェルディナンド1世によりヴェッキオ橋の上の肉屋は撤去され、貴金属店が並んでいたので、それにちなんだ作品なのかも知れませんね。この絵が制作された経緯は判りませんが、展示されている場所といい、画家がフェルディナンド1世のお気に入りであったことといい、意味深です。
余談ですが、現在、ヤコポ・ダ・エンポリの大作「カテリーナ・ディ・メディチの婚礼」と「マリア・ディ・メディチの婚礼」(以前ブログでもご紹介した作品です)はウフィッツィ美術館の3階へと階段を上がった先、入り口(切符を切るところ)の手前の左右に飾られています。
見逃してしまいそうな場所に展示されていますが、素晴らしい大作なので、是非見てください♪
さて、ヴェッキオ橋の上に当たる部分からは、自画像のコレクションが始まります。進行方向に向かって右側がフィレンツェ人の画家の自画像、左側はフィレンツェ人ではない画家の自画像という展示になっています。
昔は、「絵画はインテリアの一部」という認識が強く、インテリアにあわせて切り取って小さくすることもあったそうです(もったいない!)。特に自画像は、顔の部分、上半身の部分だけを切り取ってしまうこともしばしばあったそうで、それ故に、オリジナルの額縁が残っているケースは少ないそうです。


↑は外から見たヴァザーリの回廊です。ほぼ全て、写真左のような小さな丸い窓が付けられています。ところが、橋の中央部には写真右のような大きなガラス窓が3つあります。これは、1939年にファシスト党のムッソリーニがフィレンツェを訪れた際に、作らせたものだそうで(強引だなあ・・・)、le finestre di Mussolini(ムッソリーニの窓)と呼ばれています。


窓からの眺めは、写真左がアルノ河上流側(ウフィッツィ美術館側)、写真右がアルノ河下流側(サンタ・トリニタ橋側)です。

もう一枚!
下に見えているのはヴェッキオ橋の中央部分にあるチェッリー二の胸像です。


さて、もともとヴァザーリの設計では「外からは見られずに、中から外を良く見ることができるように」という理由から、こんな小さな窓にされたそうです。
確かに覗いて見ると、下のヴェッキオ橋の様子が良く見えます。丸型で、しかも格子がせり出すように出来ているので、窓から顔を出さなくてもちょっと覗いただけで真下の様子も良く観察できるんですよね。なるほど~。強引な政策を推し進めたコジモ1世は、クーデターを恐れていたから、こうして窓から街の様子を伺っていたんでしょうね。コジモ1世の時代、橋の上は肉屋などが集まった賑やかな市場だったから、大衆的な場所だったんでしょう。きっと市民の噂話にも耳を傾けていたんだろうなあ。
そして、ご存知の通り、コジモ1世の息子、フェルディナンド1世は1593年にあまりの悪臭に耐えられず、肉屋を撤去し、フィレンツェの町中の貴金属店をここに集めます。勿論、「金、宝石類は匂いがしない」(笑)、「見た目も宜しい」という理由があったのでしょうが、もうひとつ、ヴェッキオ橋に貴金属店を集めることで、金の取引をコントロールするという目的もあったそうです。


貴金属店の2階部分はいまもジュエリーの工房であるところがあります。ズームで覗いてみると、右の写真でちらちらとした火が見えますか?これは、金細工職人が使うガスバーナー。昔から、職人達がこうしてヴェッキオ橋の上で働いていたんでしょうね。

現在、以下のページでお手配をしています。
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なるほどです。。
ヴェッキオ橋に何故「貴金属店」が多いのか判りましたよ。。。(^^;)
ヴェッキオ橋に何故「貴金属店」が多いのか判りましたよ。。。(^^;)
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懐かしい風景だな~と、今回の写真もまた、ため息を漏らしながら拝見しています。
イタリアは何をとっても歴史に趣きがあって本当におもしろいです。
窓ひとつひとつの意味をとっても、昔の人の考えが垣間見れて、なんだかその時代にタイムスリップしたような気分になりました。
貴金属店の2階は今も工房があるんですね~。
昔と今、同じことが同じように続けられているってすごいですね。
イタリアならではという感じがします。
chihoさんのブログを拝見していると、イタリアの隠れた面白さや歴史を知ることができるので、本当に楽しいです(^^)
次回、イタリアに行くときは、chihoさんのブログをすべてチェックし直してから行きます!!
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