ウンベルト・エーコと「中世」

ウンベルト・エーコと「中世」_f0106597_0155856.jpg
先週から、いつも読んでいる新聞レプッブリカ誌発行の特別本として、ウンベルト・エーコ監修の「中世」という歴史本のシリーズが発売され始めました。
ウンベルト・エーコは、ショーンコネリー主演の映画にもなった「薔薇の名前」の著者です。ラジオでこの本の発売を知り、コレは買わなければっ!と慌てて新聞屋さんに走りました。通常、こうした新聞や雑誌発行の本は部数が少なく、すぐに売切れてしまうのです。
先週は、第一巻"Alto Medioevo ~Storia"(中世初期 歴史)、今週は、第二巻"Alto Medioevo~Filosofia, Letteratura, Scienze (中世初期 哲学、文学、科学)です。まだ、中世初期(紀元後400年~1000年)なのにこれだけ内容が濃いとは(笑)。あくまでもウンベルト・エーコは監修なので、本自体の著者はイタリア人のそれぞれの分野の研究者が書いているのですが、第一章のウンベルト・エーコによる序章は100ページもあり(笑)かなり読み応えがあります。

ヨーロッパの「中世」という時代については、どの部分を指すのか色んな説があります。便宜上は476年のローマ帝国の滅亡=中世の始まり 1492年のコロンブスによるアメリカ大陸の発見=中世の終わり と言われていますが、これには様々な説があります。ジョットーが生まれた年(ルネサンスの始まり)を中世の終わりとする説など、ルネサンス時代を中世に組み込むか否かはさまざまな議論がなされています。

何処から何処までが中世であるのか、ないのかと言うのは所詮言葉の遊びでしかないかもしれません。
この本で、ウンベルト・エーコは、1000年にも渡って続く「中世」」がいかに変化に富んだ時代であるのか、1つの「中世」という言葉ではくくることが出来ないほど、様々に変化し続けた1000年間であったことを伝えようとしています。
まだ、1巻、2巻は中世初期です。この時代(400年から1000年)については「暗黒の時代」と呼ばれ、1400年代以降のルネサンス時代に比べると、一般的には余り知られていませんが、実は様々な技術革新や新しい思想が生まれた時期でもあったんですね。

面白いなあと思ったのは、馬や牛の手綱のつけ方の変化です。
ローマ時代では、家畜の上部背中の部分に(今の犬のリードみたいな感じ)に手綱の付け根があったのですが、900年から1000年頃、これが家畜の胴体の左右の脇の部分に分かれて付く様になります。こうすることで、家畜の肺を圧迫せず、それまでは牛に引かせていた引き車を馬に引かせることが出来るようになるのです。

この本を読んだら、今まで何となく繋がっていなかった「ローマ帝国時代」と「ルネサンス時代」が繋がってきそうです。


追伸:正しくは「ウンベルト・エーコ」でした。日本語記載もエーコです。
。失礼、失礼・・・今のうちに直しておこう・・・コソコソ(笑)。

人気blogランキングへ
気に入っていただけたら↑をポチッとクリックしてください♪
Commented by woodstove at 2009-03-07 06:45
中世と聞くと「王様がいた頃」なんてぼんやり思ってましたよ。
 だいぶ昔の事になりますが、馬車を作ってくれと依頼があったとき、
馬のハーネスについて勉強しましたよ。確かに馬や牛にストレスを
与えないやり方がその頃に考えられたんでしょうねぇ。。。なるほどです。
Commented by fiorentino at 2009-03-07 14:58 x
『中世』といったら、なんとなく頭の中でヨーロッパの昔からの街並みなどを想像して、少し懐かしいなぁ~というような気持ちになる雰囲気(←なんだかうまくいえませんが 汗)のものだったのですが、ヨーロッパにとって中世はとても重要な時代であって、いろいろ奥が深いのでしょうね。
当たり前のことですが、新聞も本もラジオも全部イタリア語ですよね。
日本語と同じようにイタリア語がスッと頭に入ってくるなんて、私からするとchihoさんほんとスゴイです(^^;)
今度イタリアに行くときまでに、少しでもイタリア語を勉強したいです★
Commented at 2009-03-07 23:04
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Sette at 2009-03-07 23:12 x
薔薇の名前。クリスチャン・スレーターも若くて可愛かったですね(そこかい・汗) 修道院(?)の話でしたよね。歴史とか、流れがわかってつながってくると面白そうですね。学生時代、歴史が嫌いだったので、今でもちょっと歴史系のモノは踏み出せないでいるんですが(笑) 少しずつピンポイントで読むようになってきました(爆)
Commented by pino-ombra at 2009-03-08 22:23
「薔薇の名前」、なつかしいですねえ~。
ところで、Umbert Ecoはウンベルト・「エーコ」じゃなかったでしたっけ?
私は今まで、何の疑いもなく、前半にアクセントだと思ってました。
あー、気になったら確かめたくなってきた。でもどうやって??(笑)
Commented by なおやま at 2009-03-09 02:33 x
横レスですが、私もエーコって発音するんだと思ってました。
あとで我が家のイタリア人に発音させてみます(笑) Ecoの小説は大好きだったけど、最近は育児本以外の本を読む気にはなれませんでした。が、今回の記事を見て私もこの本読みたい!って思いました。ただし、日本語で。。(爆)
Commented by lacasamia3 at 2009-03-11 23:31
woodstoveさん>へえ~馬車なんて、色んなオーダーが入ってくるものですね。ハーネスって言うんですね、この綱のこと。ローマ時代の絵と、それ以降の絵を比べると馬のつなぎ方が違うので面白いです。
Commented by lacasamia3 at 2009-03-11 23:32
fiorentinaさん>中世がいつまでなのかってヨーロッパ人にとってはとても大切な概念のようです。それにしても人間って常に進化し続けてきたんですねえ。
Commented by lacasamia3 at 2009-03-13 19:45
鍵コメpさん>直前の連絡でごめんね~。快く承諾してくれて有難う。いやいや、刺激だなんて。私はpさんみたいに写真が上手人なりたいなあっていつも思っています。今度またゆっくり会おうね。
Commented by lacasamia3 at 2009-03-13 19:45
Setteさん>クリスチャン・スレーター、そうそう!若くて可愛かったですよね~(過去形・爆)。歴史は本だけじゃなくてやっぱり実物を見ながらだと興味がわいてきます。
Commented by lacasamia3 at 2009-03-13 19:45
pino-ombraさん>ははは、ご指摘有難うございます。エーコですよね。ずーっとエコーだと思っていました。あ、でもイタリア語で呼ぶときはエーコって言っていたかも。
Commented by lacasamia3 at 2009-03-13 19:47
なおやまさん>エーコです(笑)。はい、ずーっと間違えていました。この本、やっぱりイタリア語で読むとスッと入ってきます。でも日本語でも勿論面白いと思いますよ。
by lacasamia3 | 2009-03-07 01:38 | 私の本棚 | Comments(12)

フィレンツェで山暮らしをするchihoの田舎便りです。フィレンツェの街歩き情報、イタリア風家庭菜園、お勧めレストラン現地情報、日帰りで行ける街の情報など。フィレンツェの滞在型アパートの紹介サイト「ラ・カーサ・ミーア」を運営しています。


by chiho