
先日、フィレンツェに行った際に、サントスピリト教会へ立ち寄りました。
上へと伸び上がるような開放感のある教会内部には、1400年代半ばのオリジナルの姿で残っている多くの祭壇があります。
それら一つ一つもまた、とても興味深いのですが、今日はある磔刑像をご紹介します。
(教会内は写真撮影が禁止されています。以下の画像はWEB利用フリーのものを使っています)

これはミケランジェロ作と言われるキリスト磔刑像。素材はシナノキです。
主祭壇に向かって左側から入る聖具室(サグレスティーア)にかかげられています。
子供のような華奢な体に対して大きすぎるように見える頭は、しかしながら、オリジナルの配置場所を考えて鑑賞する必要があります。もともとは、主祭壇の上部、半円形の部分に置かれること(かなり下から見上げられること)を想定して作られたそうです。
ヴァザーリの伝記によると当時18歳だったミケランジェロが1493年から94年にかけて、ミケランジェロに部屋を与えた修道院長へのお礼として作ったと言われています。

1492年にロレンツォ豪華王が亡くなり、息子のピエロがメディチ家を継いだものの、2年後の1494年に、ピエロが交渉に失敗したためにフランス軍がフィレンツェに進軍したとされ、フィレンツェ市民の手によって、一族追放されてしまいます。
ミケランジェロも、混乱を避け、メディチ家追放の直前にフィレンツェを離れます。
そんなフィレンツェの動乱直前に制作されたと言われる磔刑像。
1494年11月17日、シャルル8世率いるフランス軍がピサからフィレンツェへ到着します。2万人のフランス兵は、サンフレディアーノ門から入り、この磔刑像があるサントスピリト教会の裏手を通り、ボルゴ・サンフレディアーノをまっすぐと進み、サンタトリニタ橋を渡って、シニョリーア広場に向かったのでしょう。
静まり返ったフィレンツェの街中で、兵士たちの足音が響く中、磔刑像が静かにサントスピリト教会に架けられていたと思うと、この作品が今に伝えられてきたことの素晴らしさを強く感じます。
サントスピリト教会
平日 8,30-12 e 15,45-18
日曜、祭日 8,30-12 e 15,45-17
教会内の写真撮影はフラッシュの有無に関係なく禁止です。
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