さて、今回、ローロチュッフェンナの水車小屋を訪れた理由は、私たちの水車小屋と同じシステムを持つここの水車小屋が、どんな工夫をしているのか、メンテナンスはどうしているのか等を学ぶ為でした。
山から流れ下りてくる川の水を引き入れて水を溜めるペスカイヤと呼ばれる池は、ちゃんとしたセメントの貯水槽になっているので、お掃除がしやすそうです。
色々、修繕する必要がある部分はあるけれど、基本的にはちゃんと回る石臼。ちょっと皆で「こうしたいのよっ!」っていう羨望のまなざし(笑)。
スマホのタイムウオッチで回転数を測るアントネッロ。
これは下のタービンの部分。
回していない時でこのくらいの水漏れがあり、これが結構深刻です。せっかく貯水槽に水を溜めても、どんどん流れてしまうので。壁の隙間とかからも水が流れ出ています。
面白いのは、ここで使っているタービンの羽の部分。スプーン型じゃなくて四角くて、ボルトで固定してあります。私たちの水車小屋よりのより随分軽い。これは結構、イケるアイデアかも。
ひとことで水車小屋と言っても、それぞれに色んなスタイルがあって、皆工夫して石臼を動かしていたんだなあって、感動します。
ここの水車小屋の問題は、技術的な問題ではなくて、金銭的な問題。
去年の暮れに、それまで粉挽き所を営んでいたお父さんが90歳で亡くなり、息子さんのFさんが引き継いで何とか管理しているけれど、専業では全然やって行けないんだそうです。国は全く助けてくれなくて、逆に、粉挽き所として営業していたら税金が課せられるので、泣く泣く閉鎖したんだとか。ツーリストの見学を日曜日に受けているから、市が少し援助金を出してくれているけれど、本当にスズメの涙。
たった1人で水車小屋を直しながら、経済的にも自立していくのは無理なんだそうです。
私たちは、職業じゃなくて、ただ単に水車小屋を直して動かしたいという有志のグループだから気軽に出来るけど、個人で、水力で粉を挽く水車小屋を職業としてやろうとしたら、今のイタリアでは相当難しい。
逆に言うと、こうした水車小屋が残って行く数少ない可能性の1つは、私たちの様なグループが自分達の粉を挽く為に、力を合わせて存続して行く事なのかもしれない。
(水車小屋からさらに川をさかのぼると、水遊びが出来る沢がありました)
地方自治体や国に頼らずに、古い水車小屋を維持して行く為には、たった1人では大変。この村にも私たちの様な仲間のグループが生まれると良いのになと思ったのでした。
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chiyo
at 2017-06-27 11:18
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chihoさん、こんにちは。先日のブログでの「いますぐ、まっすぐ」、いただきました!!最近自分の生活を振り返るにつけ、逡巡や回り道に費やす時間をもっと行動のために使いたい、とちょうど思っていたところでした。普段の自分のパターンにないことをするにはエネルギーが必要ですが、できることから少しずつでもやってみます。いい言葉をありがとうございました!
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tawaraya
at 2017-06-27 18:10
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どこでも伝統的なものを維持していくのが難しい時代ですね。個人の気持ちだけではどうにもならないものがありますから・・・