変わり者のローマ皇帝コンモドゥス~カピトリーノ美術館

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画像上左は、先日ローマに行ったときに、カピトリーノ美術館で出合った彫刻の1体です。
ヘラクレスかと思いきや、実は「ヘラクレスに扮したローマ皇帝 コンモドゥス」。父親は、ローマ皇帝マルクス・アウレリウス(画像上右)、五賢帝の1人です。
そんな、偉大な父親の血を直に継ぐコンモドゥスですが、父親の死後、18歳で皇位に就いて以来、実姉による暗殺未遂、側近の陰謀、反乱などに翻弄されながら、徐々に精神のバランスを崩していってしまうのです。
ヘラクレス信仰に陶酔し、自ら、コロッセオで剣闘士大会に出場してしまうなど、ローマ皇帝にはありえない振る舞いを繰り返します。


変わり者のローマ皇帝コンモドゥス~カピトリーノ美術館_f0106597_0232931.jpgリドリースコット監督の映画「グラディエーター」(2000年)を観た方も多いと思いますが、ホアキン・フェニックスが扮したのが、この皇帝コンモドゥスです。余談ですが、個人的にはこの映画の中で、ラッセル・クロウ以上に、ホアキン・フェニックスがカッコいいなあと思いました。う~ん、実際のコンモドゥスとホアキン・フェニックス、見た目はちょっと違うかなあ・・・でも、ちょっとイッちゃっている目つきは本人に似ているかも(汗)。熱演でした。


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映画の中では、コロッセオでの一騎打ちで主人公マキシマスにより刺殺されるのですが、実際には、側近による暗殺計画が練られ、コンモドゥスは入浴中に(←お風呂好きだった)背後から、腕利きの拳闘士によって刺殺されるのです。

当時多く作られた「ヘラクレスに扮するコンモドゥス」の像は、彼の死後、元老院により次々と破壊され、この像は「ヘラクレス・コンモドゥス像」として唯一残った作品であると言われています。

2000年の時が経っても、コンモドゥスの狂気を今に伝えるような、そんなパワーを感じる彫刻です。

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Commented by raindropsonroses at 2010-09-03 08:45
chihoさんへ。
おはようございます。
ホアキン・フェニックス……僕もいいなぁ……と思いました。暗くて屈折していてね。初めはヘラクレス像かなぁと思いました……お約束のライオンの毛皮を被りこん棒を持っていますが、ヘラクレスに扮した皇帝でしたか……矢張り、皇帝といえども強いものに憧れていたんですね。破壊されたり紛失したりして今残っていないものが沢山ありますが、折角、いい状態で残っているんだし、人類の財産です、大事にして行きたいですね。

ブノワ。
Commented by matt-frafra at 2010-09-03 13:04 x
かぴとりーにには行ったのだが、この手の彫刻がやたら多くて、きちんとした解説書なしでは、誰が誰だか・・・。コンモドゥスは記録抹殺刑で残っている資料がほとんどないので、これは貴重。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-05 21:52
ブノアさん>そうそう、ホアキン・フェニックスが演じる屈折したローマ皇帝、凄く印象で気でした。ローマにはまだまだ素晴らしい彫刻が沢山残っています。2000年も経つのに、こうして良い状態で残っている彫刻を前にすると胸が一杯になります。やっぱり私は彫刻が好きなんだなあ。
Commented by lacasamia3 at 2010-09-05 21:55
matt-frafraさん>今回、久しぶりにこの美術館を訪れて、かなり「ツボにはまる」作品に出会うことが出来ました。また少しずつご紹介しますね。そうそう、コンモドゥスは記録抹殺刑で、彼に関する彫刻がことごとく破壊されてしまったんですよね。歴史の記憶から消し去る、なんて凄い刑ですね。
Commented by かーりーー at 2010-09-06 10:10 x
こんにちは。ホアキンのコンモはイッちゃっててやばかったですよね。当時はラッセルクロウのかっこ良さについつい魅かれてしまいましたが、ホアキンの熱演も素晴らしかったですね。そうえいば、このヘラクレスに扮したコンモも、よく見るとイッちゃってるような・・。
私個人的には、父上が乗ってる「馬」がお気に入りです。かっこいい☆
Commented by lacasamia3 at 2010-09-08 03:04
かーりさん>ね、ね、コンモドゥスの像も良く見ると、恍惚とした目がヤバイですよね(爆)。体を鍛えることが趣味だったようで、像も何気と、わざと理想化したミケランジェロの像のような筋肉ではなくて、何だか「鍛えて作った感じのカラダ」と言う雰囲気です。
by lacasamia3 | 2010-09-03 01:15 | ローマ プチ情報 | Comments(6)

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