フィレンツェ田舎生活便り2

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フィレンツェで山暮らしをするchihoの田舎便りです。フィレンツェの街歩き情報、イタリア風家庭菜園、お勧めレストラン現地情報、日帰りで行ける街の情報など。フィレンツェの滞在型アパートの紹介サイト「ラ・カーサ・ミーア」を運営しています。

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ルネサンスのお伽噺「アンドロメダを救うペルセウス」~第19室

あたらないことで有名なイタリアの天気予報ですが(笑)とにかく、今週の週間予報ではやっと太陽マークがついていました(嬉)!洗濯っ!

さて、今日は久し振りにウフィッツィ美術館話。先日、仕事の合間にちょっとウフィッツィ美術館により、素敵な作品を再発見しました。いつも何気に眺めている作品でも、何かのきっかけでその作品の隠れた魅力を発見することが多々あります。
今回、はまってしまった作品は・・・


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第19室にあるピエロ・デ・コジモ作「アンドロメダを救うペルセウス」(1510年ー1513年)。大作が並ぶウフィッツィ美術館の中では小さめ(70cm×123cm)の余り目立たない作品です。
一見、分散した構図で、誰が主役なのか判り辛く、何となく派手さのない作品なので見過ごしてしまいそうですが、良くみるととても面白い絵です。
ある1つのギリシャ神話を絵で語った作品。
エチオピア王ケーペイスの妻カッシオペイアは「自分は海のニンフよりも美しい」と自らの美しさを自慢し、海の神を怒らせてしまいます。海の神は、エチオピアに洪水を起こさせ、海岸に恐ろしい海の怪獣を放り投げます。弱り果てたケーペイス王が神官に相談すると、この神の怒りを静めるためには、娘のアンドロメダを生贄として怪獣に差し出さなくてはいけないと言われます。

この絵の面白いところは、様々な時間が日本の絵巻物のように1つの画面の中に描かれていること。そのために、同じ人物が何度も登場します。


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左:自らの運命を嘆き悲しむアンドロメダと母親のカッシオペイア(オレンジ色の腰巻)
右:生贄として木に縛られたアンドロメダ。きゃ~!


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左:そして、右側には怪獣がガオ~!!鼻の穴からピューッと水を吹いています(笑)
右:「ああ・・・怖くて見ていられない・・・」という群集。白いターバンを巻いているのがエチオピア王ケーペイス(アンドロメダの父)、その右下、オレンジ色の腰巻をしているのが母親のカッシオペイア。


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左:そして、画面の右上からヒーロー、ペルセウス登場!飛び方が猿之助風です。

右:怪獣を太刀の一撃で倒します。
上手いなあと思ったのは、1頭の怪獣で、怪獣が登場した場面と、ペルセウスに倒される場面の両方を表現していること。きっと、怪獣がペルセウスの方を振り向いてしまったら、アンドロメダや群集が怖がっている前半のシーンとのつながりがなくなってしまうのですが、そのあたりを上手につなげています。


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良かった、良かった!とオリーブの枝(?)を持って喜ぶ群集。
アンドロメダとヒーロー、ペルセウス、ケーペイスも寄り添って喜びます。


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この作品の中で、個人的には、やはり主役は怪獣かも?と思う程、画面の中央に描かれたありとあらゆる要素を混ぜ合わせた怪獣。きっとこの部分は画家ピエロが描いていて一番楽しかったのだろうなあ・・・などと想像してしまいました。
お姫様のアンドロメダよりも何だか描き込んだ感があります(笑)

そしておまけの人物なのですが、是非注目していただきたいのが、左下、群衆の中の一番左側にいる赤いマントのようなものを着ている人物。彼はアンドロメダの許婚チェフェーオ。良く見ると、マントのように見えるものは、実は鳥の羽なのです。ペルセウスの様に飛んでアンドロメダを救いたかったのに、救えなかった・・・そんな陰の脇役です。

小さな作品ですが、良く見るととても魅力のある絵なんですよ。

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Commented by bianca at 2010-05-18 08:27 x
とても面白い絵ですね!
chihoさんの説明を読みながら見ていると、本当!物語になっているのがよくわかりました。
怪獣もリアルで怖いですね。。。アンドロメダ姫、助かって良かったです。
チェフェーオの奥に描かれた黒っぽい悲しげな女性は誰なのでしょうね。何だかとても気になります。チェフェーオの悲しみの象徴かしら。。。なんて勝手に想像しちゃいました。
Commented by a_dopo at 2010-05-18 08:49
初めてコメントいたします。
さて、なるほどね~!
ヨーロッパの神話もの、聖書ものは解説あるなしで
面白みが全然違いますよね。
ぜひ一度ちほさんガイドのウフィッツィツアーにいってみたいです。
Commented by ちびすけ at 2010-05-18 09:47 x
一つの絵の中に物語が書き込まれているんですね。面白い。
若い頃は興味がなかったけれど、その絵の描かれた背景とか、歴史とか物語を知ると、一つの絵についてもっと知りたくなりますね。画家についても。
イタリアでもフランスでも美術館回ったんだけど。もったいない事をした(泣)
Commented by woodstove at 2010-05-18 12:52
 いま気がついたんですけど、ギリシャ神話だから星座とか星の名前が
出てくるんですね。。。。。(^^ゞ

 カッシオペイアってカシオペアですよね-。
初歩的な部分で感動してる自分がお恥ずかしい。。。。(^^ゞ
Commented by hatton1971 at 2010-05-18 15:39 x
1枚にたくさんの要素を盛り込む絵は日本だと鳥獣戯画でしょうか。

昔この絵の主人公の一人を名に冠したバンド・カシオペアのコピーバンドをやろうとして「ペルセウス」を名乗ろうと仲間に打診したのですが却下されました。
Commented by iwasaki at 2010-05-18 21:27 x
Chihoさん、先日は大変お世話になりました。4月にBorgehettoをお借りしたイワサキです。お忙しいGWが終わってからお礼のご連絡をしようと思って、ずいぶん日が経ってしまいました。Chihoさんのお陰で大変楽しい滞在でした。ありがとうございます。またフィレンツェに行くときはChihoさんにお世話になります。そのときはよろしくお願いしますね♪この絵、あまり美術に興味のない夫が、長い間眺めていました。というのも趣味で音楽をやっている彼はこの絵の楽器が気になったようです。こんな楽器見たことないし、実在する?構造的に音が出なそう!と。"こういう発見がおもしろい"と、その後もいろいろ発見して楽しんでました。
Commented by 1897juventus93-10 at 2010-05-19 01:28
|☆JUVE★|三(・∀・)ゞCHIHOさん ユキちゃん アントネッロさん いやはやど~も♪♪
|JUVE|_-)CHIHOさん・・ てっきり しっとりで丁度えぇんかと思てたんですが・・・ お肌 守(も)ってますか?? カビってません・・・?!(失礼wスマセーンw) 今日は晴れてるみたいですが 明日また・・・(汗) でもまた2日程お日サン出てきそうなんで よかったですね♪ヽ(´∇` )ノ♪
素朴な疑問:↑㊦から②番目でアップしてる絵↑でゆう所の イッチャン㊧㊦の人(ヤンキー座りな方 んー・・表現下手・・ 笑)は 何持ってますかね? 楽器とも杖とも・・ それが何にしても 地面に何か書いてるっぽく見えるんは JUVEヲだけですかね?? 何書いてはるんやろか・・・ 「私 漢字で名前書けんねん♪」とかかな?!(-_-)【想像】・・・絶対ちゃうな(笑)
(PS)遠足先の美術館は 比較的近所であれば 近々CHIHOさんユキちゃんアントネッロさんで お出かけできるとえぇですね♪♪♪
"MIRACOLOを起こした NUOTATOREが DANZATRICEと恋に落ちた♪(  ̄▽)爻(▽ ̄ )♪ "は 想像ふくらませ過ぎですかね??(笑) 晴れ晴れな1日を 楽しんでくださいませ☆★\(▽ ̄\( ̄▽ ̄)/ ̄▽)/☆★
Commented by a-monly at 2010-05-19 01:41
久々のお天気、嬉しいですね^^

ウフィッツィに行ってそんなに時間経ってないけれど、、この絵、観たような?観ていないような・・・記憶が曖昧です^^;
chihoさんのご説明が面白くて、一人モニターに向かって笑いそうになりました(笑)
そして分かりやすい!!! 解説を聞いてから観ると、また感じ方が違いますよね。

子供の頃、プラネタリウムへ行って、ギリシャ神話を聞くのが好きだったなぁ、、と、ふっと思い出しました。
Commented by mamadance at 2010-05-19 04:45
いつもながら楽しい絵画鑑賞教室、楽しく拝見。
一枚の絵がきちんと繋がっていますね~。
ピエロ・デ・コジモが描く海や丘など全部膨らんでいますね。まあるく描かれている。寓話的に見える演出かしら?
ニンフの手に古楽器が描かれていますね、ごっつい楽器だわ、どんな音なんでしょう・・・。
すごい細部まで書かれていて楽しいですね。
素敵な絵の発見、ありがとうございます!
Commented by pino-ombra at 2010-05-19 09:34
先日、会社の近くの本屋さんに行ったら、chihoさんの著書が旅行コーナーに平積みになっていましたよ!
ちなみに、都心のバリバリ、オフィス街のビルの中の書店です。
前作より、見かける頻度が高い気がします(笑)。
パリのオシャレな雑貨屋さん、みたいな本の隣でした。
おじさんが多い街ですが、女性の人が買っていくのかな~。
Commented by kucoteki at 2010-05-19 12:59
ご無沙汰しております~
美術館いいですね~^u^*
許婚チェフェーオ氏がちょっぴりかわいそうで@@;
神話って知れば知るほどおもしろいですね!!
Commented by lacasamia3 at 2010-05-20 02:51
biancaさん>きっと、エチオピア人を描いているのだと思います。舞台がエチオピアだから、本当は人種的には肌が褐色の人が多いはずなのですが、この時代の絵画の殆どは登場人物が白色人種なのです。ギリシャ人も沢山居たのでしょうが、実際には国民の大多数は肌が褐色のエチオピア人だったんでしょうね。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-20 02:57
a_dopoさん>確かに、隠された裏話を知った後でもう一度作品と向き合うと、更に新たな魅力を感じ取ることが出来ますよね。予備知識なしで作品と向き合う時の最初の印象も大事だけれど、ストーリーを知った上でもう一度見直してみるのも楽しいです。
Commented by kapibara at 2010-05-21 22:44 x
CHIHOさん、こんばんは♪♪
 
この絵は、見過ごしてしまっていました!
ウフッツイ美術館は、有名どころの絵から、あの長~い廊下の天井の
細かな絵、並んでいる彫刻達。
出てくる時には、脳みそが飽和状態に(@_@;)なっています。

こんな、お伽噺の絵があったなんて!!
生贄、好きですよね~、しかし^_^;。
でも、ここに描かれている色調、好きです。
そして、背景の崖に無理??と思われる角度に描かれている城。
面白いですね~^m^
次に訪れらたら、実物、是非見たいです!!

宗教画に押しつぶされそうになったら、少し、ぷっと笑える貴重な
作品だと思います(^^)
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 02:34
kapibaraさん>この絵は確か左側の通路の最後の方にありました。意外と良く見るとププッという絵、結構あるんですよね。画家もそれを承知で描いていたのでは?と私は思います。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 02:41
ちびすけさん>そうそう、その絵の背景を知って、もう一度見てみると更にその魅力を発見することもありますよね。いつか是非フィレンツェにいらしてください♪
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 02:47
woodstoveさん>そう、ギリシャ神話って星座の名前と凄く関係しているんですよね。夜空に神話を描いていたギリシャ人って凄い。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 02:53
hatton1971さん>「伴大納言絵巻」という国宝の絵巻が東京の出光美術館に保存されているのですが、なかなか面白い絵巻です。鳥獣戯画も面白いですよね。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 02:56
iwasakiさん>この度は、アパート、ボルゲットにご滞在頂き有難うございました。へえ~小さな目立たない作品ですが、ご主人がご覧になっていたんですね。確かに、弦楽器と管楽器が合わさったこの楽器、発想がとても面白いですよね。またお会いできるのを楽しみにしています。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 02:59
ユヴェヲさん>絵って細かいところを見始めると結構面白いですよね。受け狙いだったり、おや?と思わせる場所は、きっと画家も確信犯なのだと思うんです。足を立てたヤンキー座りの女性は、「古代ギリシャ風」だったんでしょうね。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 03:01
a-monlyさん>プラネタリウム懐かしい~。こっちにもあるのかな?またいつかフィレンツェにいらっしゃることがあったらこの絵を是非観察してみてくださいね。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 03:02
mamadanceさん>実際にはビックリするほど小さな絵なのですが、かなり細かい部分まで書き込まれているんですよ。気になり始めるととまらない不思議な絵です。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 03:04
pino-ombraさん>有難うございます~。本屋さんによって、お料理本のコーナーに置かれているところと、旅行本のコーナーに置かれている所があるようですね。サラリーマンのおじさん達にも読んでいただきたいです(笑)。
Commented by lacasamia3 at 2010-05-24 03:07
kucotekiさん>こんにちは。フィレンツェは美術館だらけの街です。有名なウフィッツィ美術館は今の時期、入場は並んだりしますが、中に入ると意外と空いているので、ゆっくりと見ることが出来るんですよ。
Commented by njs2005 at 2010-05-25 14:53
フィレンツェ田舎生活便り~小さな村の春・夏・秋・冬まだ読んでる途中ですが、
アントネッロさん凄いね~勉強になるなぁ~あんな父ちゃんになりたいなぁ~
車の助手席に置いて読んでます、空き時間やら信号待ちで・・・
by lacasamia3 | 2010-05-18 02:54 | ウフィッツィ美術館物語 | Comments(25)